『希望と絶望』初見の感想(ネタバレあり)
日向坂46ドキュメンタリー映画『希望と絶望』を観てきたので、感想を残しておこうと思います。
推敲もロクにせず勢いで書くので多分とても読みにくいです!
ネタバレありのため、未視聴の場合はブラウザバック推奨です。
「メンバーはこんなに頑張ってるのに…運営許さん!!!」って心の底から思ってる人は、多分意見が合わないと思うので、やっぱりブラウザバック推奨です。
当然ながらこれは「日向坂46のドキュメンタリー」であり、スタッフのドキュメンタリーではありません。
見えてない部分をいかに想像でカバーするか、という見方をもともとするタイプなので、今回の映画に関してもそっちの見方が強めです。
正直に言えば大半のことは知っている内容でした。
表ではキラキラした面を、とはよく言いますが、やっぱり不協和音は伝わってくるものです。
活動を追いかけていく中で感じていたいろいろなことを、順番に答え合わせしていっているかのような気持ちでした。
その中でも特に印象に残ったシーンを触れていきたいと思います。
5thプロモ活動の話
当時もSNSで論争を巻き起こしたこの時期の話。
もともと意見が割れやすかった「ヒット祈願」であることと、見た目にも分かりやすく過酷なチアと、実際相当にキツそうだったかとしの表情と、3つが重なったことで、明らかに運営批判のターゲットになったこの件。
ハッキリ言えるのは「チア」が原因ではないということだと思ってます。例えばチアがなかったらかとしはここまで追い込まれなかったのか?といえばそれはNoだと思います。
結局他の仕事でスケジュールはパンパンになり、どこかで限界がきていたと思います。
前年のライブ中止による金銭的ダメージが大きくて、日銭を稼がなければならなかったのでは?という勝手な妄想もできなくはないですが、これはあくまで妄想でしかないのでここでは深掘りしません。
(でも実際結構な赤字食らっててもおかしくはない。SME全体では利益出てましたが)
ざっくり言えば、センター一極集中の仕事の振り方が最初の原因だろうと思います。
なんでもかんでもセンターがやる必要はないのに、「顔」としての働きを期待されて全部センターがやることになってしまう。
運営はこの点は完全にやり方見直して6th以降は変えてきたと思います。未だ変わってないのはファンの方。
センターなんだからもっと推されるはず。なんでもっと推さないんだ。6thでそう感じたファンも多いはず。
もう「センターの負担は大きい」というやり方はしないようにする、という方針なのだと思ってます。だから7thがこさかなセンターでも大丈夫なのだと。
そしてそんなセンター一極集中ととても相性が悪かったのがかとしだと思います。
ミーグリでも他の誰かが全完売して、自分が1枠でも残ってると、それで動揺して不安げなメッセを送ってきがちです。
いくらみんなが「そんな心配しなくても大丈夫だよ」と言ってもずっとそこは変わらずです。
とにかく自分に自信がなくて不安なかとしは、仕事が来たら全部全力でやってしまうタイプなのです。それでいて納得できないからどんどん心が消耗していってしまう。
これは劇中でキャプテンからも語られてた内容ですね。
センター一極集中とかとしの過剰とも言える完璧主義が重なった結果、あそこまで追い込まれてしまったと見てます。
実際チアのめいめいとかとしの役割が逆だったら、それだけでも全然違った結果になっていたのではないかと思います。
そんな風に他の人にもバランスよくいろいろと渡していければ…
それにしても当時結成から5年目で、ずっと一緒にやってきたスタッフもいたのに、それでも「キツい」と言い出せなかったのが悲しいな、とは思います。
結局はそこの関係性がうまくいってなかったという結論になってしまうのかもですが。
1つとても勿体ないと思うのが、チア全体を「失敗」と捉える風潮です。
この生配信は同時視聴数が20万を超えました。他の日向坂系コンテンツでこの数字を出したものは未だありません。
今とはファンの母数が違うとはいえ、1周年の餃子パーティー配信は5万程度です。ひなこいやひな図書の特番は桁が1つ少ないレベル。MVのプレミアム公開だってそこまで伸びません。
「メンバーがわちゃわちゃしてればいい」とはよく言われる話ではありますが、例えば6thのヒットキャンペーンで「完成品お披露目生配信」をやったとて20万人集まるか?といえばかなり疑問だと思います。
何が良くて何がダメだったのか、建設的な議論が行われずに黒歴史として封印されそうになっているのが勿体ないと個人的には思ってます。
W-KEYAKI Fesの話
一生懸命やったライブを否定された…!ということでファンからもメンバーからもヘイトが溜まりまくってるこのシーン。
これ美穂が答え言ってると思ってて、リハの段階から一枚岩ではなくなってたわけですよね。
言い方としては「がむしゃらさがない」とか「体力が」とか「もっと踊れ」とか、表面だけ受け取ると「なんだそれ」と聞こえる話ですが、本質としては「一体感が生み出すパワーがない」だと思ってます。
日向坂の強みはその「一体感から生み出される圧倒的なパワー」でしょ?と個人的には思ってます。
結局本番でそれぞれがどれだけパワー発揮したとて、リハから積み上げてきた一体感無くして、かつてのようなパワーは発揮できなかった、ということだと思ってます。
もちろん暑さで限界だったのは間違いないです。
夏の野外フェス、ワンマンで15時スタートなんて愚行は二度とやらないでほしい。5曲ずつくらいでローテしていくやつとは別物です。
ただこのタラレバは意味ないことを承知で書きますが、「18時スタートだったら」「空が曇ってたら」ベストパフォーマンスができるだけの準備は整ってたか?ということなのではないかと。
過去をやり直すわけにはいかないので、そんな仮定は意味ないですけどね。当日のパフォーマンスしか見てないファンからしたら、どういう経緯であの発言になったかは知る由もなく、裏側は想像するしかないのですが。
しかしもしも「一体感がない」という理由をそのまま伝えてしまってたり、もしくは1人ずつ個別に話をしたりしていたら、この時点でグループ崩壊するリスクもあったかな、と思います。
少なくともメンバー間で不協和音は感じ始めていたわけで、「なぜ一体感が出ないのか」の犯人探しが始まってしまった可能性が高いと思ってます。
個別面談やってたとしても、他メンバーへの不満が溢れ出すリスクもあり、もしもそうなっていたら取り返しつかなかっただろうな、と。
結果的にヘイトがスタッフに向いたのは不幸中の幸いだったと思ってます。
正直あの時の運営がそこまで考えて敢えてやっていたかどうかは分かりません。多分考えてないとは思います。
正直個人的にはそもそもこのフェスいらんやろ派なので、今年もやるならいろいろ気をつけて頑張ってね、というお気持ちです。
まぁ「コニファーフォレストでいつかワンマンを」というのは特に1期生たちの悲願みたいなものなので、多分今後もやるんでしょうね。
ちなみにこの辺の話は想像で大半を補完してます。
ただただ本当に嫌な運営の可能性もあります。でも結局部分的に切り取られたものしか見てないわけで、そこで描かれてるものが全てではないんだよ、というのがこの映画で言いたいことと考えると、この映画も全てではないはずですよね。
とりあえず無観客ライブがキツかったのはガチだと思ってます。手探りだった最初の1回と、本当に二度とライブができないかも、という状況からの復活だった22人の音楽隊は例外で、それ以降は本当にキツかったはず。
実際ライブのクオリティは回数重ねるごとにどんどん下がってたと思いますし。ひなくり2020もこのちゃん復帰がなかったら見どころほぼないライブだったと正直思ってます。
まぁそんな1年を過ごした後だけに、一致団結したライブなんて難しいよなーとは思いつつ、それって日向坂46の強みがなくなったに等しいけど、今後どうするの?という課題に直面した時期だったのでしょうね。
全国ツアーの話
「キャプテンは偉大な存在」であることは否定しないものの、そのキャプテンでも「決定権を持つ人とちゃんと意見交換をしなければならない」ということに気づくのに5年かかったんだな、ということが驚きでもありました。
「なぜ相談なしで決めてしまうのだろう」というおたけの意見もありましたが、コミュニケーションって双方向なんですよね。意見を求められるのをただ待ってるだけでは、なかなか相談はされないと思います。
特に坂道シリーズに関していえば、自分達で曲を作るわけでもなく、振り付けをするわけでもなく、基本的に誰かが用意したものをやるスタンスです。
それが良いかどうかはともかくとして、今までそういうやり方でやってきた以上、変化をつけるには理由が必要です。
ただ実際例えば映画とかで、脚本描いてる段階で演者に相談行くことってないのでは?と思うんですよね。
出来上がった脚本をベースに、細かいニュアンスは変えていくとは思うんですけど。
それと同じと考えたら、演出家がセトリ決めて決定事項として降りてくることにそんなに違和感はなかったです。セルフプロデュースなわけでもないし。
これはスタッフへの反感から出た言葉なのかもしれないとは思いつつ、おたけが言っていた「ってかの振り付けは本当にキツいのに、フルでやることがなんの相談もなく決まっていた」という不満。これがこの映画で一番驚いた瞬間だったかもしれません。
最新シングル引っ提げてのツアーで、その表題曲をワンハーフで終わらせるなんてことありえる???と。このツアーが初披露なわけで、他ワンハーフにしてもこれだけはフルじゃなきゃダメなやつでしょ、と思いました。
単に言葉足らずで「ってかがキツいからその分他で調整させてほしい」という意図だったらいいのですが。そうであってほしいと本当に願ってます。
そもそもあの振り付け、2時間のライブで披露すること全く考慮されてない内容だと思ってますが、特にそこについて文句をいう感じじゃないというのがね…バイアス掛かってるなーとも思いました。
セトリの前に振り付けに不満はないのかい?と。
ちなみにこのツアー、体力的に本当にキツくて泣きながら相談に行った、という話はやる木で京子から既出の話ではあります。
映画の中でも特に1期生はかなり不満が溜まってたり、余裕がなかったりした時期なんだろうな、と思うような描かれ方でした。
「余裕がなかった」と語るインタビューよりも、かとしがみくにんに「キツいよね」みたいな話を振ったところに、かなりの余裕の無さを感じました。
ちょっと冷静に考えれば、みくにんはまだ参加曲数も少ないわけで、ほぼフル参戦の1期からそう聞かれて「キツいです」と答えられるはずもなく。それがパッと分からないくらいには余裕がないんだな、と。
個人的にはこのツアー、セトリ的にも演出的にも全然好みではなかったので、正直思い入れがほぼ無いです。
ライブ見ててもかつてのような輝きも薄れてきているのを感じましたし、推しの卒業の気配もヒシヒシと感じていた時期で、この年のひなクリがドームでは無いと発表されたことで、「約束の卵まで自分は待てないかもしれない…」と割と本気で思った頃でした。
Documentary of 渡邉美穂
前半から少しずつ感じてましたが、後半は完全に渡邉美穂の卒業ドキュメンタリーだったな、と。
こさかな復帰と美穂の卒業と、この2つがもしも無かったとしたら、ドームもバラバラのままだったのかもしれない…と思うくらいに、この2つの出来事が自然とグループの目を揃えることになったようにも見えました。
22人のライブにこだわり続けた美穂。
誰かが休まなければならなくなるたびに、誰よりも悲しんでいたその姿がとても印象的でした。
だからこそドームは本当に22人で立たせてあげたかった…あの時オープニングで流れた映像の「5 days ago」で泣き崩れる姿見ただけで号泣モノでしたが、音声ありだと悲しみが強すぎて…
映画的には結局22人でステージに立つこともなく、卒セレ開催についても触れられないため、願いは叶わなかったバッドエンドのような終わり方だな、とも思いました。
それにしても美穂が卒業をメンバーに伝えるときの、メンバーそれぞれの表情が印象的で…
多分完全に納得済みのこさかなとひよたんが明らかに表情違ってたのと、既に涙目のみくにんと、何故か笑みが溢れるキャプテンと。
キャプテンはあれどういう感情だったんだろう。何かに納得した瞬間だったのかな。特に卒業発表を受けて、という角度でのインタビューはなかったので、そこが欲しかったなぁという気持ちもありますが、それやると完全に卒業ドキュメンタリーになってしまうし、こればっかりは仕方ないですね。
美穂が卒業を発表して以降、いろんなメンバーと語り合う記事やラジオがありましたが、キャプテンとの対談がないな…とずっと思ってたんですよね。
そこが何もなく終わってしまってはダメだろう、と思ってたのですが、最後の最後にちゃんと用意されてて、それが何より嬉しかったです。
新たな約束、いつか叶う時が来ることを願って…
今後の日向坂46
個人的には一刻も早く副キャプテン制を導入した方がいいと思ってます。
実際20人以上いるチームで、役職持ちが1人というのはバランス悪すぎですよ。マネジメントはマネージャーがやるならまだしも、今後はもっとスタッフと話し合ってやっていこうと思うのであれば、なおさらキャプテン1人では足りません。
そもそも個人仕事の多さはメンバー内でもトップクラスなわけで、グループに向き合う時間はどうしても限られるはず。各期ごとに副キャプテン出してもいいくらい。影、花ちゃんズどちらか、みくにんになるのかな、その場合は。
SNS見てても「美穂が実質副キャプテンだった」みたいな意見よく出てますが、肩書きなくてもそういう立ち回りができる人ばかりでは無いです。
美穂の場合、「こんなギクシャクしたまま卒業したくない」という、ある意味自分のためという動機があったためアレコレやっていた感があり、そういう理由なしにはなかなか難しいとは思います。特に後輩が動くのは。
キャプテンだって「ちゃんとスタッフと話し合わなければならない」ことに辿り着くのに、就任から4年かかってるわけで、他のメンバーにも経験積ませることでグループ全体はもっと安定するようにも思います。
今後のライブはどうなるんですかね。
ドームではそんなことなかったけど、今後は体力に配慮した内容になっていくんでしょうか。
「必死に踊るよりトロッコ乗って近くにいく方がおひさまが喜ぶ」
みたいな感じになりそうな気はしていて、そう思うと自分はもう行かないだろうなと思ってます。
もちろんそれが良いという人も大勢いると思うし、それで興行成立すれば全然良いと思います。
でもそれは自分がずっと好きだった日向坂のライブとはちょっと違うかな、というのが正直な気持ちです。
もちろんずっと同じままでいられるわけはないので、単に自分はここまでなんだろうな、という気持ち。
次にライブに行くことがあるとしたら、キャプテンと美穂の約束が果たされる時かな。
さて、勢いで書いたわりにかなりの長文になってしまいました。
2回目3回目見たらまた印象は変わるのかもしれませんが、初回視聴の時の気持ちは今しか書けない!ということで一気に書きました。
本当にみんな幸せになってほしい。それだけが僕の願いです
ケヤフェス後のシーンに関して(2022/07/17追記)
キャプテン、かとし、おたけが叫んだあのシーン、スタッフの指摘に納得いかない3人の魂の叫び…ということで好意的に取られがちなあのシーンですが、個人的にあまり好きなシーンではないな、という気持ちを書いておこうかと。
何が嫌って、あの行為って自分の中のモヤモヤを発散させるためだけのもので、根本的に問題解決に直結しない行動なんですよね。めちゃくちゃドライな感想になってしまうけど。
実際何も解決しないまま全ツリハがスタートしてしまい、そこでまた上手くいかなくなってしまう。
あの気持ちをただ闇の中に発散させるだけでは無くて、ぶつけるべき人にぶつける必要があったはず。
とはいえスタッフ側の伝え方(タイミングとか言い方とか)も良かった訳ではないので、このシーンに関してはみんな良くなかったというだけの話なんですけどね。
右肩上がりで大きくなって行くはずだった組織が、ある日外的要因で急ブレーキかけられてしまって、そこから立て直すのってそんなに簡単な話ではないので、普通にそこでしくじっただけというか。
1つだけ、これは本当にやってほしくなかったな、と思うのは、後輩に対して「叫んだ方がいいよ」と同じ行為を勧めたこと。
飲み会で先輩が上司への不満をガンガンいって、その後後輩に「お前も不安あんだろ?言ってみなよ!」って振ってきた光景を思うと、結構ゾッとします。自分だけかもしれませんが。あの姿を見ていた2期生があの後同じように叫んでたとしたら、この話は何の意味もないただの妄想与太話です。
よくネタにされがちな「日向坂は縦がすげぇ」というアレ、変な意味でなく縦関係は結構しっかりしてると思ってて、例えば2期生がスタッフの言い方に思うところがあったとて、1期生を飛び越えて直接スタッフと意見交換する姿はちょっと想像つきません。
つまりここは1期がメンバーの意見を取りまとめてちゃんとスタッフと向き合う必要があるところ。それが裏で不満叫ぶ形で消化されてしまうと、後輩としてはそれ以上の手が打ちにくくなります。
「影ちゃんが副キャプテンの肩書きあれば」と思ったのはまさにここで、これキャプテンがやるのめっちゃ大変なんです。キャプテンはまずは矢面に立ってメンバーを守らなければならないので。実際それは見事にやってました。
ただスタッフとの話し合いはロジカルに進めなければならない場面です。防御全振りしてる最中にそんなことやってる余裕はありません。
となるとやっぱ影しかいないんですよ、ここで動けるのは。日向坂1期はロジックよりフィーリングで動くタイプが圧倒的に多いので、影が担う役割は本当に大きい。
ドーム前後の動きを見てると、メンバーのメンタルケアとかは相当意識してやってるっぽいですけどね、そっちもできるけど本当にやってほしいのはむしろ…という気持ち。
ここも美穂とうまく分担できればベストだったんですけどね…未来虹がやるにはまだ先輩が多すぎるんですよね。乃木で梅が副キャプテンやれてるのは、先輩より後輩の方が多くなったのも大きいと思いますし。エース飛鳥の信頼得たのも大きいと思うので、そういう意味では4期加入後の未来虹には期待が高まります。
肩書きなくてもやってくれよ!というのも、一見真っ当な意見のようで、それはそれで難しい部分も多いんですよね。
やれるならそれに越したことはないが、あった方が動きやすいなら、そのように組織の体制を整えるのも大事だとは思います。
アイドルと組織論、語り出すと興味深くて、このテーマは無限に話せる気がしてくる…ほんのちょっと追記するつもりがそこそこのボリュームに…!