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湧澄嶺衣
2024年11月4日 05:56
『肖像の迷宮』私は、写真館でポートレートを撮ろうとしていた。シャッターが下りる瞬間、眩い光が走る。現像された写真には、知らない私が写っていた。着ている服も、表情も、年齢さえも違う。不思議に思い、もう一枚撮る。今度は、また違う私が写っていた。写真を重ねると、そこに物語が見える。これは、私の別の人生なのか。「目覚めの時です」カメラマンが告げる。写る姿は、年老いた私自身だった