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ショートショート・ストーリー【SSS】

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小説【301字】肖像の迷宮

小説【301字】肖像の迷宮

『肖像の迷宮』私は、写真館でポートレートを撮ろうとしていた。
シャッターが下りる瞬間、眩い光が走る。

現像された写真には、知らない私が写っていた。
着ている服も、表情も、年齢さえも違う。

不思議に思い、もう一枚撮る。
今度は、また違う私が写っていた。

写真を重ねると、そこに物語が見える。
これは、私の別の人生なのか。

「目覚めの時です」
カメラマンが告げる。
写る姿は、年老いた私自身だった

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小説【319字】金属の記憶

小説【319字】金属の記憶

『金属の記憶』都心の路地で、私は立ち止まった。
鋭い金属臭が鼻をつく。懐かしい匂い。

その日から、街中で金属臭を感じるようになる。
人々の吐く息、建物の隙間から漏れる風。

ある日、自分の手から同じ匂いが。
鏡を覗くと、皮膚が金属のように輝いていた。

パン屋に駆け込む。店主も私を見て頷く。
「目覚めの時ですね」
その店主の体も、金属光を帯びていた。

案内された地下で、真実を知る。
私たちは機

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小説【351字】電柱の記号

小説【351字】電柱の記号

『電柱の記号』路地裏……私は一本の電柱の前で足を止めた。
そこに刻まれた不思議な記号が気になった。

写真に収めようとすると、ファインダーの中で記号が動く。
気づけば、街中の電柱に同じような記号が浮かび上がっていた。

記号を繋ぐと、巨大な魔方陣のような模様が浮かぶ。
その瞬間、街の風景が歪み始める。

建物が溶け、人々が消え、電柱だけが残る。
そこへ、もう一人の私が現れる。

「これが本当の姿」

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小説【346字】夢幻の住人

小説【346字】夢幻の住人

『夢幻の住人』都心の古書店で、私は一冊の本を手に取った。
開くと、そこには見知らぬ街の地図が描かれている。

地図を眺めているうちに、周囲の景色が溶け出す。
気づけば、私はその地図の街にいた。

街を歩けば、どこか懐かしい。でも初めて来たはず……。
住人たちは皆、私を知っているかのように挨拶をする。

「お帰りなさい」老婦人が言う。
「長い旅でしたね」
私の中で、記憶が蘇っていく。

この街の住人

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小説【313字】蒼光の記憶

小説【313字】蒼光の記憶

『蒼光の記憶』都心の雑踏で、私は足を止めた。
目の前で、蒼い光が一瞬煌めいたような。

その日から街に、深く青い色の蒼い光が見え始めた。
建物の隙間、人々の影に、微かに蠢く蒼い輝き。

ある夜、鏡を覗くと、瞳に蒼い光が宿っていた。
その瞬間、記憶の氾濫が始まった。

見知らぬ風景、聞いたことのない言葉。
それは私のもの、でも私のものではない。

蒼い光に導かれ、知らぬ間に歩いていた。
気づけば、無

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小説【219字】闇の峠

小説【219字】闇の峠

『闇の峠』 険しい山道を進む。写真を撮るため、私は好奇心に駆られてここまで来た。
 峠に差し掛かると、突如として霧が立ち込め、視界が遮られる。不安に駆られながらも、カメラを構える。

 シャッターを切った瞬間、霧の向こうから人影が。慌てて逃げ出すが、足を滑らせ転倒。目が覚めると、見知らぬ部屋のベッドに横たわっていた。

 枕元には一冊の本。開くと、そこには私が撮ったはずの写真が。しかし、霧の中の人

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小説【335字】魂の収穫祭

小説【335字】魂の収穫祭

『魂の収穫祭』雑踏で、私は足を止めた。
行き交う人々の影が、突然消えたような気がして。

その日から、人々の影が気になり始めた。
歩く度に揺れる影が、少しずつ薄れていく。

ある日、自分の影を見ると、それも薄くなっていた。
そこへ、影のない老人が近づいてきた。

「収穫の時期です」老人は私に告げる。
「あなたの魂も、もうすぐ熟します」

気づけば、私は見知らぬ祭りの中にいた。
人々は踊り、歌う。だ

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小説【351字】異星の瞳

小説【351字】異星の瞳

『異星の瞳』雑踏で私は足を止めた。
通りすがりの人の瞳が、一瞬だけ輝いた気がして。

その日から、人々の目が気になり始めた。
瞬きの合間に、異質な光を放つ瞳。

ある日、鏡を覗くと、私の瞳も変わっていた。
虹彩が渦を巻き、宇宙が広がっているかのよう。

パン屋に入ると、店主が私を見て微笑む。
「待っていました」
その瞳も、宇宙を映していた。

裏路地に案内され、そこで真実を知る。
私たちは地球外生

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小説【337字】夢幻潜入

小説【337字】夢幻潜入

『夢幻潜入』古書店で、私は一冊の本を手に取った。
開くと、そこには「潜入捜査の手引き」と記されている。

ページをめくる度に、周囲の景色が変わっていく。
気づけば、私は見知らぬ組織の一員となっていた。

記憶が書き換わる。私は潜入捜査官。
だが、何を捜査しているのか思い出せない。

組織の中で、私は昇進を重ねていく。
そして、ついに最高幹部となった時。

鏡に映る顔が、本来の自分ではないことに気づ

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小説【325字】前人類の遺伝子

小説【325字】前人類の遺伝子

『前人類の遺伝子』私は足を止めた……。
雑踏を歩く私の目の前で、通行人が突然姿を変えた。

人々の姿が歪み、獣のような姿になっていく。
だが、誰も気づいていない。私だけが見えるのか。

恐る恐る歩を進めると、景色が一変する。
そこは原始の森。巨大な獣たちが闊歩している。

「目覚めたのね」声がする。振り返ると、獣の姿の私。
「あなたの中の前人類の遺伝子が」と告げる。

現代と原始が重なり合う風景。

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小説【315字】湖底の記憶

小説【315字】湖底の記憶

『湖底の記憶』都心の地下鉄駅。私は階段を降りていく。
降りても降りても、終わらない。

気づけば、そこは巨大な地底湖の岸辺。
水面に映る景色は、懐かしい街並み。

湖面に足を踏み入れると、水中に引き込まれる。
だが、息はできる。歩くこともできる。

水中都市。建物は朽ち果て、人々は泡となって漂う。
その一つ一つが、記憶の欠片のよう。

泡に触れるたび、見知らぬ記憶が蘇る。
私の物語。私ではない誰か

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小説【316字】魔法陣の迷宮

小説【316字】魔法陣の迷宮

『魔法陣の迷宮』路地裏の古書店。私は一冊の本を手に取った。
開くと、そこには複雑な魔法陣が描かれている。

指でなぞった瞬間、世界が歪んだ。
気づけば、巨大な魔法陣の中心に立っていた。

周囲を見回すと、無数の扉が浮かんでいる。
それぞれに、見覚えのある風景が映っている。

「選びなさい」
声が響く。
「あなたの運命を」
恐る恐る、一つの扉に手をかける。

開くと、そこは別の私の人生。
扉をくぐる

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小説【321字】小石の記憶

小説【321字】小石の記憶

『小石の記憶』都心の雑踏。私は足元の小石を拾った。
掌の中で転がすと、不思議な感覚が走る。

目を閉じると、見知らぬ光景が浮かぶ。
開くと、そこは別の場所。別の時代。

私の姿も、着ていた服も変わっている。
そこへ、知らない人が近づいてきた。

「お待ちしておりました」と、私に語りかける。
状況が飲み込めないまま、私はついていく。

街並みが変わるたび、私の姿も変化する。
そのたび、小石が熱を帯び

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小説【293字】逆映する世界

小説【293字】逆映する世界

『逆映する世界』都心の雑踏。私は足を止めた。
水たまりに映る空が、暗闇に変わっていく。

周りを見回す。誰も気づいていない。
私だけが見えるのか。

恐る恐る水面に触れる。
すると、体が吸い込まれるように沈んでいく。

目を開けると、そこは逆さまの世界。
建物は天井から生え、人々は逆立ちして歩く。

私だけが『正しい』向きで立っている。
だが、周囲の人々は私を奇異の目で見る。

「あなたもようこそ

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