富士山の見える山里
富士山の見える山里を探すように自転車で走っていた頃があった。特に山梨県の峡南地方。富士川沿いのエリアだ。画像の撮影は2004年の8月1日。
5万分の1の地図を見て、なんでこんなに高いところにわざわざ集落を作ったのだろうと思って自転車で登ってみれば、その高さまで登ると富士山が見えるということがよくあったのだ。
国道や県道を走るサイクルツーリングはごく普通に行われることであるけれど、市道や町道を走るものは例外的だ。
だいたい、コースガイドを作るのも手間がかかる。相当に地図を大きくしないと、詳しく説明することは不可能であるからだ。
けれど私は県内や近県ではそういうサイクリングばかりやっていた。国道や県道は走っても大して面白くないし、交通量も多い。誰もが走ったところであって、写真を撮っても新鮮味がないのだ。
画像の富士山は、当時鰍沢町(現在は富士川町)の山中の集落付近で撮影した。富士山の手前にある山々は、天子山地の一角であり、富士川の東岸に位置している。
画像の撮影ポイントは富士川西岸の山中であって、富士川の谷間を間に挟んでいる。従って富士山が見えるところに集落を形成するには、西岸の山のけっこうな高さまで登らねばならない。この辺りで標高700メートルくらいあり、標高250メートルくらいの富士川からはかなり登坂したところである。
富士山が見えるところに住みたいというのは、かくも普遍的な情熱であったわけで、そういう集落が富士川西岸のあちこちに点在している。それを拾って走るサイクリングは実に面白かった。
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