No.307【令和6年9月対馬市定例議会一般質問通告】
今回は、6月定例市議会で公表された《所信表明》について、通告に従い以下の3点に分類し質問致します。
⑴人口減少対策が果たして対馬市の最重要課題であるか否かについて
①人口減少は日本全国どころか、成熟した社会において世界共通に生じている現象であり、一自治体で抗える課題ではないと思います。人口減少(抑制)に取り組むことも必要だと思いますが、それ以上に人口が減少しても住み続けられる島にして行くことがより重要な課題だと思います。市長の所見を求めます。
②市長と私の目的把握の相違があるであろう施策の一例が所信表明5ページの『結婚新生活支援事業や出産・子育て支援制度の充実』を人口減少対策と捉えるかどうかだと思います。対馬市は離島であるため、明石市や流山市のように子育て支援を充実させても、子育て世代が周辺都市から移住してくることはそれほど期待できません。『結婚新生活支援事業や出産・子育て支援制度の充実』は、住民サービスつまり福祉の充実として重要な施策と捉えるべきで、人口減少対策としてはさほど効果は見込めないことは認識すべきだと思います。婚活支援を福祉の充実と捉えるなら、出産適齢期のみでなく中高年の婚活支援も行い、互いの老親や互いの介護に備えてもらうことにもつながり、人口が減少しても住み続けられる島の一助となると思います。市長の所見を求めます。
⑵人口が減少しても住み続けられる島にするための住民サービスの充実について
①地域包括ケアシステムは、今後更なる充実を図ると記載しています。現在、長寿介護課が、地区座談会を開催して住民の声を聞いていることは大変評価しています。上・中・下地域の医療や介護サービス資源は大きく異なり、広い島内できめ細やかなサービスを提供するには、上・中・下の最低3カ所に分けて、それぞれの地域別協議をメインにすべきだと思います。市長の所見を求める。
②10ページに『住民の利便性を向上させるためにDXを着実に推進』と記載しているが、具体的にはいつごろからどのようなサービスがDX によって便利になるのか、市長の答弁を求めます。
⑶人口が減少しても住み続けられる島にするための経済活動の活性化について
①11ページに『対馬市SDGs アクションプランの実行が不可欠』『(それを実践していくうえで)民間資本の知恵と行動は欠かせない』と記載されており、私も強く共感します。今定例市議会で企業誘致に関する条例改正を再度練り直して、対象事業を拡大したり、新規雇用創出人数を緩和して上程したことも評価します。しかし、対馬市が求めている企業誘致像はどのようなものなのかが伝わり難いと感じています。SDGs未来都市らしく、ESG投資対象事業にはより手厚い支援策を盛り込んだり、既存事業者を含めてHACCAP(国際的な食品衛生管理規格)やMSC(水産資源と環境に配慮し適切に管理された持続可能な漁業で獲られた天然の水産物の証)認証取得支援策を充実する等の特徴ある条例改正も含めてはどうかと思います。市長の所見を求めます。
②今回の所信表明に貿易推進等、国境の島であるメリットを活かす施策が盛り込まれていないのが残念です。例えば、インバウンドが復活していることを機に、比田勝港で国際郵便が取り扱い可能となるよう働きかけてはどうでしょうか。現在、対馬市から国際小包を釜山市へ船便で発送すると、わざわざ神奈川県の川崎東郵便局へ一旦運ばれて、約一カ月後に宛先に届きます。これが、僅か約50Km の比田勝港から直接釜山港へ、その日の船便で送ることが可能となれば、島内購買が著しく増加すると思われます。また、本土から国内配送で対馬まで届けて、この国際小包便を利用する需要も十分見込めると思います。市長の所見を求めます。