頑張りすぎているあなたへ『夜明けのすべて』
観てからだいぶたってしまいましたが、感想を書き留めます。
映画の中では、自転車のシーンとプラネタリウムで語る「夜についてのメモ」の言葉がとても印象的でした。
私が好きなイギリスの言葉「夜明け前はいちばん暗い」もその中に出てきました。
夜についてのメモは原作にはないことにびっくり。
理解のある職場は、失ったものがあるからこその相手への優しさでした。
また、藤沢さんはおすそ分けが好きで、自分から与える人。
山添くんは、賞状やトロフィーが飾ってあり、病気前は、努力しながらバリバリやってた人だと、そのシーンから感じとれました。
自転車のシーン
山添くんが登り坂で、自転車を降りて、引っ張りながらゆっくりと歩くシーンがあります。
その横をお母さんが子供を乗せながら、おそらく電動自転車ですいすいと通り越していきます。
人によっては、ある力を借りて(電動自転車)、自分だけじゃなく子供まで乗せて、難なく登り坂を登り切ることができる人だっています。むしろそれが当たり前のような世の中。
でも、それが普通で当たり前なんでしょうか?
生きている中で、力を借りることができず、自分ひとりのことさえ上手くこなせないことがある。
でも、それが普通じゃないとか、もっとできなきゃとか思わなくていい。
勝手に自分への期待とかハードルを上げすぎているだけ。
前はできたのにとか、これくらいできて当然みたいに思うと、自分の身体なのに、コントロールできないことへの苦しさ、虚しさが残る。
あなたは、十分頑張っているよ。
そう気づかせてくれるようでした。
この映画を見て感じたメッセージ
自分の身体なのにコントロールできないもどかしさ
大切な人を失って、残されても生きていく寂しさ
頑張りきれない自分への嫌悪感
それでも世界は知らん顔して続いていく
夜が明ける
何かを失って、余白ができて、ようやく誰かに優しくできるのかもしれない
そして、みんな頑張りすぎだから
いいんだよ、ときには何かのせいにして
これくらいできて当たり前なんて、
勝手に決めつけないで
スピードの速い世の中で生きてるだけで、
充分高いハードルを何度も超えているのだから
頑張ったね、今日も。ゆっくり休んでね。