お寺の掲示板⑪みんなひとりぼっち
みんなひとりぼっちそれを知るからなお あなたの大事さがわかるよ
竹内まりや『みんなひとり』
「天上天下唯我独尊」
お釈迦様は母親の右脇から生まれてすぐに七歩歩いてこう言ったとされている。
この言葉の解釈は
①お釈迦様が独り尊い。
②人類みな独り独りが尊い。
の二つに大別されている。
特攻服に刻まれていた刺繍はどちらの解釈なのかは議論があるところだが、どちらにせよ、みんなひとり。ということは間違いない。
という強引な話から竹内まりや『みんなひとり』。
2006年に松たか子に提供された曲で、後に竹内まりや自身もセルフカバーしている。この曲はいかに人間が独りであるのか、ということが繰り返し説かれている。
(生まれるときひとり)(最後もまたひとり)
確かにその通りだか、風が冷たくなる秋頃に聴けば寂しい気持ちになる歌詞だ。
その寂しさの解消は、人との繋がりだと竹内まりやは言っている。
(恋人とも違う、大切な心友(しんゆう))(ちいさな温もりやふとした優しさを求めずにいられない)など、独りに向き合うときに必要になるものが、ひとりひとりの繋がり。
ここで大切なことは、
独りであること。
繋がること。
その両方が大切なことであるということだ。
(みんなひとりぼっちそれを知るからなお あなたの大事さがわかるよ)
独りであることを忘れた繋がりは、芯を持たない鉛筆のようなもので何も残るものがない。
独りを重んじ繋がりを軽んじることは、感謝を忘れ独善的になってしまう。
この相反する二つを両立することがより良き人生に繋がっていくのではないだろうか。
思えば、中高生の反抗期の代表例は暴走族から引きこもりに移行していった。(ドラマGTOがその狭間の象徴的作品)
つながりと独りのバランスはこの三十年で極端に振れてしまっていったのかもしれない。
どちらか一つではなく、どちらも一緒という答えもこの世にはある。
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