#私だけかもしれない、初海外の当日の朝の悲喜劇
カナダ生活11年目のWakeiです。
私はまともな海外留学経験とか、このカナダ生活以前の海外生活経験はありません。でも海外旅行の経験はあります。今回はその初渡航の朝の「#私だけまも知れないレアな経験」の話をしたいと思います。
私の初めての海外旅行は大学4年の夏休み。夏休みをフルに利用したヨーロッパ2か月間のバッグパッカー一人旅でした。
その時期に就活はいいの?
と思われるかもしれませんが、当時、私は大学留年が決定だったのです。
なので就活で忙しい同級生がこの時期やれないことをする、せっかく2か月あるし、海外一人旅に行く、ことにしました。
とはいえ留年が決定した身で、親に旅行費用を出してとも言えず、アルバイトで貯めた資金で2か月間過ごせる方法として、スペイン2週間、オランダ2週間の合計1か月をワーキングキャンプを利用することにしました。
これらのワーキングキャンプは、キャンプで無償で働く代わりに寝るところと食事が支給されます。スペインでは森林保護、オランダではアーティスト村の整備、というユニークなプログラムでした。
今からほぼ40年前の話なので、この時にスペインのワーキングキャンプに参加した初めての日本人と言われましたよ。
英語もスペイン語もよく話せないし、携帯もパソコンもない中、よく一人で「地球の歩き方」だけで行ったと我ながら思います。
さて、そんな緊張と興奮がごちゃ混ぜになった初海外渡航。
成田空港からパキスタン航空で南回り24時間コースの旅です。
東京に暮らす友人の家に前泊させてもらって、翌日、空港へと向かう予定でした。
前日の夜、壮行会ってことで二人ですっかり飲んでしまって、その勢いで寝てしまいました。
そして翌朝、目を覚ますとお味噌汁のにおいがします。
なんとその友人が私のために昨晩二人で飲み明かしていたにも拘らず、早起きして、朝ご飯を作ってくれていたのです。
私は無茶苦茶、感激し、この初冒険に大いに勇気をもらった気分になりました。そこまで優しい人だったとは。グッときました。
「ありがとう。嬉しい。」
と心の底から言って、身支度をしようとした瞬間、私は混乱しました。
あれ?
昨日の夜、寝るときに私のコンタクトレンズをお椀に水を張って入れたよね。
あのお椀はどこだ?
見当たらないねぇ。
まさかこの美味しそうなお味噌汁の入ってるお椀ってことはないよね・・・・?
「昨日、私寝るときにコンタクトレンズをお椀に水を張って
入れていたんだけど、そのお椀知らない?」
と聞くと
「もしかして、これかも。お椀はこれしかないし。」
と言われました。
一瞬、ギョッと思ったものの、不思議と高ぶる力も湧いてきません。
多分、酔いがまだかなり残っていて、感情が高まるほどのパワーがなかったのです。
二日酔いで気持ち悪かったし。
私の視力はかなり悪いので、コンタクトレンズは必須です。
コンタクトがなかったら、町を歩くことは不可能です。
そんな二日酔いのボーっとした中で私が思ったのは、
「万が一を考えて、予備に古いコンタクトレンズを持ってきて置いてよかった」でした。この予備がなかったら、下手したら旅行中止にせざるを得なかったかもしれません。
「やっぱり私のカンは当たったか、ちゃんと自分を信頼しすぎに用意しておいた私はエライ!」
と妙に納得、感心しました。
まさか日本を出る前から、お守り代わりの古いコンタクトレンズを使うことになるとは思いませんでしたが、とにかく、意識が朦朧としている状態だったのが幸いしたのか、この場合、パニックにならずに済みました。
予備のコンタクトレンズは荷物の中のどこかにあるはずです。
荷物のどこかに、と言ってもバッグパック1個だけですが、予備のコンタクトをこの二日酔い状態で探すとまた失くす危険があります。
空港について体調が落ち着いてから、探すことにしました。
簡単な身支度をして、作ってくれた朝ご飯を軽く有難く頂き、あとは公共の交通機関を使って空港にいくはず、だったんですが、とてもそんな状態ではありませんでした。ただの二日酔いが抜けないオッサン女子ですから。
友人にタクシーを呼んでもらって、とりあえずタクシーに転がり込んで、空港までずっと寝てい、空港に着いたら運転手さんに起こしてもらいました。
車中では気分も悪かったので、運転手さんも上げないか、気が気ではなかったと思います。
空港に着くころには体調も少し良くなってきたので、トイレに行って改めて身支度を整えて、コンタクトを入れたら視界がハッキリし、気分も多少スッキリしました。
飛行機に乗る前からこんな調子じゃ、先が思いやられるなぁ、大丈夫か私?と鏡の中の自分を見ながら思ったもののです。実際に一人旅ではいろんなことが起こりました。
今でもよく無事で帰ってこれたなぁと思います。
そしてこのコンタクトがお味噌汁に変わった話も40年経ってもクスッと笑ってしまいます。
旅行期間中、途中でそのコンタクトレンズに海外でなんかあったら?と考えると今でもゾッーとしますけどね。
でも何もなかったし、なかなかない経験ですから、記憶に残って面白いし、今となって楽しい思い出です。