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憧れのホームスティの現実

皆さんはホストファミリーをしたことがありますか?

私は積極的にはしないのですが、仕事をしていない時期でホームスティ先不足で困っている場合やスティする人の条件によっては受けることもあります。

カナダのホストファミリーって?

カナダでホームスティというと白人の綺麗な英語を話す家族で分厚いステーキも食べれるなんて連想するかもしれませんが、カナダ人家庭は必ずしもそんな家庭ではありません。

中国系カナディアンの家庭であれば、見た目は同じアジア人で中国語のアクセントが強いかもしれないし、美味しい餃子が食べられるかもしれません。

カナダ人と言ってもインド系、アフリカ系、中東系、ヨーロッパ系、ラテン系、アジア系、ファーストネイション系などいろいろなカナダ人がいます。
日系カナダ人も当然います。

家族内では英語ではなく、母国語で話している、なんてこともあります。
移民でカナダ人になった人も多いので英語力もアクセントもいろいろです。

移民の国で多文化を尊重するカナダのホームスティはこんな風にいろいろな家庭があるのが前提です。

日系家庭のホームスティが向いている学生

うちもそんなカナダ家庭の一つとして、ホームスティをたまに受入れることがありますが、私が受入れるのは短期学生のみです。

その際、日常会話がスムーズな学生はすべて英語で対応しますが、英語力不足の日本人学生には必要あれば日本語の解説も加えて英語で話しています。

さらにカナダ人の友人やローカルのコミュニティーにも連れて行くので、オール英語のカナダ人環境もきっちり体験してもらいます。

英語力が低い学生や極端に内向的な学生の場合、オール英語の環境に急に放り込まれると不安と無力感が大きく、英語力アップやカナダでの経験に必ずしも最適ではありません。

うちではわからないことが聞けたり、どう言ったらいいのかも教えます。
学生も安心して英語に挑戦できるので、学生によってはラッキーなスティ先だと思いますよ。

日本人学生のホームスティあるある

高校や大学の短期英語留学プログラムとはいえ、修学旅行や海外旅行気分でカナダに来た英語力の低い学生の中には、予想以上に英語がわからない現実にショックを受け、ホームスティがかなりのストレスになるケースがあります。

結果、ホストファミリーとの接触を避ける、交流に無反応になる、部屋に閉じ籠りっぱなしになる、海外生活の環境の変化に体調を崩し、最悪帰国するケースも実際にあります。

ホストファミリーも張り切っていたのに学生が消極的で「なんて内気な学生だと思ってたら、日本人の友達とはおしゃべりだった」とか、出した料理を学生があまり食べない、なんてことに傷つくこともあります。

そのうちにコミュニケーションしない関係がお互いに居心地が良い状態に常態化したままホームスティを終えるなんてことも珍しくありません。

また、ホストファミリーが忙しくて話をするチャンスがない、食事が単調、公共交通機関が不便で出かけにくい、ホストファミリー頼りになのに週末に連れて出してもらえない、なんて不満もあります。

ホームスティはボランティア精神と感謝の気持ちで

ホストファミリーは3食提供しますし、送迎したり、週末にホームステイの学生を遊びに連れて行ったりします。

食費やガソリン代も値上がりしていますし、気ままなプライベートの時間もホームスティの学生と過ごすわけですから、完全なボランティア、無料でホストファミリーをしてもいいという人は稀でしょう。

交換留学システムのある学校間ではお互いの学生のホストファミリーが相互にホストすることで、ホームスティの費用を無料にしている学校もあるようですが、一般的にホストファミリーにはステイ費用が支払われます。

学生の側からするとちゃんとお金を払っているからそれなりのサービスがあってしかるべきと思う一方、ホスト側は「もし学生がホテルや民泊に宿泊したら、3食自費で外食だったら、送迎の度にタクシーを使ったら、週末に同じような観光ツアーで出かけたら、どれだけ学生は費用を払うことになるだろう、ホストファミリーのおかげで学生は充分節約できている」と考えます。

ホストがホスト料から少しでもお金を残したいと思えば食費やサービスの出費を抑えるでしょうし、忙しい中でホストを受けた場合は「いろいろできないのは仕方ない」と割り切るでしょう。

逆にいろいろ学生にやってあげようとするととホスト料は実費ですっかり消え、自分の時間もいつものように自由にはいかなくなります。

私もホストファミリーをいざ引受けると、学生にせっかくだから楽しんでいってもらいたいと思い、食事準備や滞在中のプランに力が入ります。
実際に喜んでもらえたときなど、すごく嬉しいですが、正直連日の睡眠不足が結構堪えます。
私は長期のホストは絶対に無理です。

ホストもステイする側もお互いの言い分はあるでしょうが、ホストもがステイする学生側もどちらも大変です。

それを理解して相手を思いやる気持ちや感謝の気持ちが大事です。
双方が感謝の気持ちをちゃんと相手に伝えたら、そのホームスティは双方とももっと楽しめるものになるでしょう。

お手紙をいただきました

昨日は驚いたことに今年ホストした学生の保護者の方から、エアメールで自筆のお礼のお手紙を頂きました。

内気な男子学生の親御さんからで

息子さんがうちのホームスティでの話を家でたくさんしてくれたこと、より英語へ意欲が増していること、少し積極的になったこと、またカナダに自分のお金で行くと言っていること、など

今回のカナダ短期語学研修に息子さんを行かせることは不安だったけれど、うちにスティできて本当によかった、という感謝のお手紙でした。

私もこのお手紙をいただいて本当に嬉しかったです。

正直、ホスト中は理睡眠不足気味になるし、自由な時間が減るし、気を使うことも多いので、毎回次回は絶対にもうやらない、と思います。

ですが、こんな風に親御さんから丁寧なお礼のメールをいただいたり、また絶対に来ます、と学生から言われるとあらためてやってよかったなぁ、私も楽しかったなぁ、なんて思い返せます。

皆さんの中にも海外ホームスティを考えている方、お子さんを海外でホームスティさせる予定の方などいらっしゃると思います。

ホームスティで私がおススメしたいのは、
1、海外に行かれる前になるべく英語力を上げておくこと、
2.ホームスティ先では間違ってもいいから英語で話すこと、
3.親切なホスト、忍耐強いホストにはちゃんと感謝を表すこと です。

せっかく高いお金を掛け海外に行くのであれば、何となく行って帰ってくるのでも、カナダ人家庭で孤立していたことでもなく、まわりに喜んで話せるような素敵な思い出を一つでも多く作ってください。

そして、ホームスティもしっかり楽しんで少しでも使える英語を増やしていってください。


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カナダで時々お抹茶(西島わけい)
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