カナダの新年会は黒留袖(着物)👘で行ってみた
カナダにいると新年を意識するほどのこともなく、過ぎていきます。
ただし日系人コミュニティーの新年会の日だけは思い出したかのように新年だ、と感じます。
日系コミュニティ主催の新年会
この新年会はポットラック(料理持参)が中心で、
コミュニティーホールに100人程度が集まります。
この100人程度というのは、日系カナダ人、日本人、日本に興味があったり、日系の知合いを通じて参加するカナダ人です。
日本人の新年会ではないので会の進行は英語です。
私が初めてこの新年会に参加したとき、そんな会とは知らず、英語が全くわからず、同じテーブルの人とも話ができなくて気まずいし、司会者の言ってることもわからないし、日本人の知合いもいなかったので、かなり居心地の悪い思いをしたのを覚えています。
今は顔見知りの日系人、日本人、カナダ人もチラホラいるし、会の進行も予想がつくので、楽しめるようになりました。
新年会のお楽しみ
この新年会では日頃会えない知合いと会えることは前提の楽しみとして、イベントとして楽しいのです。
まずはポットラックの食べ物。
日本人、日系人が多いので、贅沢なお刺身の盛り合わせなどの他に日本的な家庭料理やお饅頭などの和菓子もあり、カナダでは食べられない手作りの日本の味が食べれたりします。
パフォーマンスも面白いです。
今回はこちらに移民やワーホリで来ている20代から30代の日本人の方々が、三味線、尺八、それに日舞のセッションで披露してくれました。
皆さんプロ並みにお上手でパフォーマンスも古臭さくなく、楽しめました。
お子様お待ちかねの餅つきもあります。
今回は誰かが餅つきの掛け声を「いち、に、いち、に」と言い出したので、餅つきの掛け声がいつの間にか「いち、に、いち、に」。
ちょっと違和感があるけど、みんな言いやすそうだしいいや。
新年会に黒留袖で行く
私は新年会には着物を着て行くことが多く、今年は昨年の帰国の際に持ち帰った黒留袖を着ました。
黒留袖ってシックで素敵
黒留袖って一般的には親族の結婚式ぐらいしか着ませんが、京都の芸鼓さん達はお正月に黒留袖で挨拶回りをするし、御めでたい席にふさわしい着物だし、私も新年会に着て行ってもいんじゃない?
こうした日系人のイベントに着物で行くと、日本好きな方ばかりだし、直に着物姿を見たことがない人が多いのでより喜ばれます。
まして今回は黒留袖。日本の方にも驚かれて褒められました。
そして「私も着物着てみたいなぁ」とか「着物いいなぁ、日本に帰ったら持ってこようかな」「着物欲しいなぁ」とか呟かれました。
やったー!
こんな風に思ってもらうのが私が着物を着て行く目的です。
着物に興味を持ってもらいたい。
「着物ってなんかオバサン臭いし」ではなく「着物って思ったよりカッコイイ」って感じてもらえたら、とっても嬉しい。
着物のつもりです
新年会にはイメージで着物っぽく着てくる日系人やカナダ人がお子さんを含めて毎年必ず数人います。
イメージ着物なので結構、いろいろなバリエーションがあります。
例えば大人でも襦袢に兵児帯、前で結んだ帯とか、色無地に蝶々結びの半幅帯とか、浴衣に七五三の飾りのいっぱいついた帯、とか。
本人が楽しんで着ているし、着物を着てみたい、っていう気持ちの表れだし、この新年会はかしこまった会ではないので恥をかくわけでもないし、それを見てびっくりする人も少ないし、ファッションとして考えたら何を着ても別にいいわけだし、着物なんて知らないし、ない環境なんだから、批難するようなことは何もありません。
上手く着こなしていたらそれはそれですごい!と思うくらい。
でもそれはちょっと難易度が高いです。
知合いのカナダ人が襦袢に浴衣の兵児帯だったときは、彼女も大人だし、「一応言っておくとそれは襦袢と言って着物の下着だよ。」と伝えたら本人もびっくりしていました。
海外の地方の町ってそんなもんです。
こうしたイメージ着物では着物の良さは充分伝わらないし、誤解も拡散するので、私は着物を着て「日本の着物ってこんな感じですよ」ってサンプルの一つとして見せたいのです。
黒留袖との出会い
黒留袖というと高価で大袈裟な感じがするかもしれませんが、実はこの黒留袖、京都の貸衣装屋さんの前の「ご自由にお取りください」ワゴンで見つけたものです。つまりタダで頂きました。
「留袖がタダ」って、カナダで「馬が無料で差し上げますコーナーにある」のと同様のショックでしたが、今時の留袖としては地味でしかもかなり重いし、黒留袖という特殊性で貸衣装屋さんも処分に困っていたのでしょう。
タダで貰ってきたものの、スーツケースに入れると予想通り場所も取るし、重さもあるので他のものを泣く泣く諦め、カナダに持ち帰りました。
まるで捨て犬のようにワゴンに入っていたこの黒留袖が、はるか遠いカナダで、今回こうしてみんなに褒められて日の目を浴びているのです。
苦労して持って帰った甲斐がありました。頂き冥利に尽きます。
さらに今回は日本の友人Yさんが私に作って持たせてくれた帯留めを使えたのもとても嬉しかったです。
彼女が海で拾った陶器の欠片で作ってくれたもので、この帯留めも褒められました。
彼女が決して器用ではないのは知ってるけど、発想もすごいし、モダンで良いのです。彼女の優しさと一生懸命さがこもった私の自慢の帯留めです。
海外で着物を着てみませんか
着物をお持ちの方、自分では持っていない方でも着る機会があったら、是非海外でも着物を着てみてください。
まわりから褒めらえること間違いなしです。
いやぁ、着物上手く着る自信がないし・・・
なんて言う方も今ではユーチューブ動画を観ながら、
なんとか着れると思います。
前述の様に海外であれば襦袢であっても誰も何も言わないのです。
雑誌のモデルさんのように上手く着れなくても全然大丈夫です。
誰もわかりません。
今回の新年会で私も羽織の襟を折るのを忘れてしばらく着てました。
日本だったら着物警察に速攻職務質問されそうな案件です。
他にもいろいろありましたが、今回も誰も気づかなかったと思いますよ。
着物を着るのが下手でも海外では気楽に着れて、喜んでもらえたり、褒められることも十分あるんですから、着てみる価値大アリです。
こんな風に海外生活や海外旅行に彩を添えてくれる着物。
日本人としてのメリットも活かしましょう。
機会があったら是非勇気をだして着物に挑戦してみてください。
新しい発見、心が喜ぶ体験があなたを待っています。
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