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マイクロスポーツという考え方。

スポーツに関わってから20年、スポーツビジネスというものを知ってから10年が経つ。スポーツエンターテイメントアプリ「Player!」というスポーツビジネスの現場にきて1.5年。

スポーツシーンはいつだって課題が山積み。様々な角度から語られます。

僕はスポーツチームや競技そのもの成長発展に関わることが多いからか、以下のような声をよく聞きます。

スタジアムを満員にしたい
新しいファンを増やしたい
スポンサーを獲得したい
売り上げを伸ばしたい

プロスポーツや大学スポーツ、メジャースポーツから非メジャースポーツ、様々なカテゴリで話されているのではないでしょうか。そんなトップスポーツ的な考えとは別に、最近マイクロスポーツという考え方をするようになりました。


スポーツの価値は日常からの解放

スポーツの価値は非日常体験だと言われますが、僕はスポーツの価値を「日々の生活から解放させてくれること」だと考えています。

同じこと言っているだけなんですが、スタジアムでの熱狂体験のようなキャッチーないわゆる"非日常体験"でなくてもいいよね、ということが言いたい。

毎日を生きていくのって、大変です。生活するにはお金を稼がないといけないし、人間関係だって難しい。キャリアも未来も悩む、ストレスがたまる。


スポーツとは、遊戯であり戦いであり身体運動です

フランスの学者ベルナール・ジレは著書『スポーツの歴史』でこう説く。「一つの運動をスポーツと認めるために、われわれは三つの要素、即ち、遊戯、闘争、およびはげしい肉体活動を要求する」。阿部生雄あべいくお筑波大学名誉教授は、ジレの指摘を「スポーツの三要素」と呼び、研究の基本姿勢に置く。
引用:http://www.ssf.or.jp/history/essay/tabid/1112/Default.aspx

ランニングをすれば気持ち良いし、応援しているチームが勝てば嬉しい、でも走らなくても応援しているチームが負けても死にはしない。(運動との違いや健康面での話はここでは意図していません)

そんな日々の生活と全く関係ないところに身をおけること、安心してホッとできる瞬間が、スポーツが持つ本質的な良さなのではないでしょうか。

言い換えると、自分の心の拠り所になることがスポーツ含むエンターテイメントの良さだと思っています。


本当に規模拡大が必要なのか?

スポーツを「見る」とか「支える」の観点で話します。

冒頭に書いたようなスポーツビジネスシーンでよく聞く声は、そのスポーツの規模拡大を前提としているものだと思います。

規模拡大の目的は、スポーツをビジネスとしてとらえお金を稼ぐことに帰結します。もちろん単なる金儲けではなく、そのスポーツが健康的に成長していくために必要なお金。

今のスポーツビジネスモデルに最適化したゴール、とも言えますよね。

プロスポーツ含むトップスポーツは、規模拡大が必要です。売上増加で生まれた資金を強化に回しさらに勝てるようになり人気が出る。あるいはマーケティング予算に回しグローバルにファンを獲得していく。

その先に、代表含む競技自体の競技力が向上、ファン拡大により競技人口の増加と競技自体の発展に繋がります。そんなサイクル。


かといって、すべてのスポーツ団体やチームが規模拡大を目指せばいいのでしょうか?急成長した方がいいのでしょうか?

僕は必ずしもそうではないと思っています。


心の拠り所となるマイクロスポーツ

ファン規模は大きくないし認知度や露出量も多くないけど、その人にとって身近で心の拠り所となるようなスポーツがあります。友人が「マイクロスポーツ」と呼んでくれたので、僕も使わせてもらっています。


少年野球に取り組んだ小学生の頃、試合の勝敗に自分だけじゃなく親や親戚も一喜一憂しました。一心不乱に白球を追いかけた高校時代、学校中が盛り上がって応援してくれました。大人になっても続けた草野球、楽しいですよね。

決して数は多くないけど、熱狂的に楽しんでくれる人々が周りにはいたはずです。


また、競技から離れても、

帰り道で練習している姿を目にする少年野球チームが勝ったと聞いたら、なんとなくほっこりしませんか?母校の部活が県の代表になったことを知ったら、誇らしくありませんか?友達が所属するチームの勝利を嬉しそうに報告してきたら、こっちまで嬉しくなりませんか?

何でも良いんですが、ある人にとって勝てばなんとなく嬉しく負ければなんとなく悔しい存在になれるスポーツでもあると思います。


挙げたら切りがありません。ある人にとっては熱狂的な感動を、ある人にとってはゆるやかな感動を与えてくれるスポーツ。マイクロスポーツは規模は大きくないけどその人にとって身近で、心の拠り所になるスポーツです。


そしてそれらは、規模拡大を必要としているわけではないと思います。急成長急拡大が必ずしも正ではない。

でも、運営資金や運営体制などトップスポーツ同様に困っていることがたくさんあります。解決するにはお金や人的リソースが必要ですが、(規模拡大を前提とした)現行のスポーツビジネスモデルだと解決が難しいのではないでしょうか。


僕個人の想いとして、僕はPlayer!は眠っているスポーツの感動を解放して、現行のスポーツビジネスでは解決しきれない現状をより良くできると思っています。

Player!のビジョン「第三のスポーツエンターテイメントをつくる」は、僕の個人の言語化のひとつはマイクロスポーツに光をあてること


誤解がないように書くと、もちろんトップスポーツ、海外サッカーで言えばバルセロやリバプール、日本で言えば浦和レッズや鹿島アントラーズのようなチームも、ファンにとって身近で心の拠り所です。

でももっと小さく、もっと身近なスポーツがあります。対立関係を言いたいわけではありません。むしろ共存可能。同じ競技でも複数のチームを心の拠り所にしていい、というかしてるはず。


さいごに

Player!にジョインしてから大学スポーツに接する機会が増えました。大学スポーツに関わる人々、特に学生さんから聞くことが多いのが冒頭のような声です。

ずっと一度立ち止まって考えてみたかったのは、必ずしも新しいファンを獲得する必要があるのか、応援してもらうべき存在は同じ大学に所属する学生なのではないのかということ。

大学スポーツも、マイクロスポーツとして考えてみるのもいいのではないでしょうか。定義したいわけではなく、向き合うきっかけになってほしい。そんな想いもあって、今回noteを書きました。


最後に告知です。

僕たちPlayer!は「Collage Sports Ambassador(CSA)」というプロジェクトを1年以上動かし、「#CSAmeetup」で大学生と大学スポーツについて考えてきました。

これまで体育会生限定で行ってきましたが、今回からその枠をなくし大学スポーツを盛り上げたい学生のみなさんを対象といたしました。


今回はトークセッションや交流時間に加えて、大学スポーツにおいて「明日から私ができる”アクション”」をテーマにワークショップも行います。

僕含めPlayer!メンバー(ookami社員)も参加するような内容となっているので、普段から大学スポーツに関して想いがある人はぜひお気軽にご参加ください!このnoteを読んで共感いただいた学生さんも、ぜひ来てくださると嬉しいです。

イベント概要は以下で、応募はLINE OPEN CHATへの参加で完了となります。


当日会場でお待ちしています。ぜひ一緒に大学スポーツのこれからを考えましょう!

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このnoteを読んで少しでもPlayer!に興味を持っていただいたチームやリーグ、団体の方、またはシンプルに僕に興味を持ってくださった方は、Twitter(@wakatsubasa)のDMやFacebookのメッセンジャー、ookamiの問い合わせフォームでぜひご連絡ください。一緒にスポーツのこれからを話したいです!

Player!の速報導入についてはこちらをご覧ください。

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ありがとうございます。本を読むのに使わせていただきます。