KDDIの経営戦略(2020年8月)
皆さん、こんにちは。
TOYOTAの次はHONDAかと思いきや、KDDIという通信業界に踏み込んでいきましたRです。
#気まぐれで会社を選んでいます。
#好奇心旺盛なので
さて、KDDIって名前はよく聞きますよね。AU by KDDIとか。
結構携帯のイメージが強いです。
5Gが普及しつつある現代において、通信業界のKDDIはどのように戦略を立てていくのか。ちょっと見てみましょう。
以下は、2021年度に向けた中期経営計画になります。
1.経営方針・事業概要
KDDIは、以下のような方針を示しています。
「『通信とライフデザインの融合』を実現するともに、『持続可能な利益成長と株主還元強化の両立』を通じて、企業価値のさらなる向上を目指します。」
「通信とライフデザインの融合」ってあまりピンときません。
ライフデザインとは日本語で「人生設計」と言われるもので、ライフ(人生)・キャリア(仕事)・ファイナンス(お金)の3要素を総合的に考えて将来の方向性を構想することです。
KDDIには、ライフデザインセグメントという部門があります。
個人向けにコマース・金融・決済・エンターテイメントサービスを提供しています。
身近な例で言えば「au WALLET」でしょうか。
これを軸に、貯める、支払う、増やす、借りる、備えるといった個人のお金に関わる金融体験を一元的に提供・サポートすることで、ライフプランに寄り添っています。
ここを、5G導入によりさらに強化していくという風に受け取ることができます。
ちなみに、事業体も変更しており、最新の事業体は以下のようになります。
<個人向け>
パーソナルセグメント(モバイル通信サービス・auスマートパスなど
<法人向け>
ビジネスセグメント(IoTやデータ収集に不可欠な通信システムの提供)
<共通>
グローバル(世界規模でビジネスを展開する企業のICTをサポート)
※ICTとは:日本語で情報通信技術です。情報処理だけではなく、インターネットのような通信技術を利用した産業やサービスなどの総称。
法人向けとなると、イメージしづらいですが、企業のIT基盤を支えているという感じです。
2.事業戦略
では、実際にどのような戦略を実行していくのか。
主に7つの戦略を掲げています。
(1)5G時代に向けたイノベーションの創出
(2)通信とライフデザインの融合
(3)グローバル事業のさらなる拡大
(4)ビックデータの活用
(5)金融事業の拡大
(6)グループとしての成長
(7)サステナビリティ
それぞれ資料で説明されていますが、主に(1)と(2)について見ていきますね。
(1)5G時代に向けたイノベーションの創出
5Gの特徴は、「大容量、低遅延、多接続」になります。
この技術により従来のサービスがより強化されていきます。
では実際にどのようなサービスが5Gによって可能なのか。
①エリア監視×5G
地下鉄のホームでロボットや固定カメラを設置。
5Gネットワークを通じてリアルタイムで映像を転送。
その結果、不審物や不審者の検知が可能になった。
→従来の4Gでは、超高精細映像の伝送は技術的に不可能だったため、検知などは行えませんでした。
②建設現場×5G
遠隔地より建設現場にあるクレーンなどに接続。
遠隔地のモニターに、高精細かつリアルタイムで現場の映像を投影。
リアルな遠隔操作を可能にした。
制御室には全方位モニターも用意されているため、現場よりも周囲の状況が確認しやすくなった。
→低遅延である5Gだからこそ可能になりました。
これらを連携させるインフラサービスをKDDIは提供しています。
面倒・危険な仕事がAIに置き換わる時代がやってきましたね。
(2)通信とライフデザインの融合
個人向けには、スマホを起点に「ワクワク」体験価値を提案しています。
「ライフデザインサービスとのバンドルでリカーリングサービスを加速させ、ライフタイムバリューを最大化、総合ARPA収入の成長を目指してまいります。」
という記載があります。
僕が通信業界出身じゃないからでしょうか。全然意味が分からないので、用語を調べて解釈しました。
バンドル:単体でも提供可能な製品やサービスを、複数組み合わせで販売したり、別の製品やサービスに付属して販売、提供すること。
リカーリング:商品の売り切りではなく、継続的に収益を上げるビジネスモデル。携帯の通信料とかのイメージです。
ARPA:1アカウントあたりの売上。1ユーザーではなく、1アカウントとするのは、現代において1人で複数の端末・アカウントを持つ者がいるから。
これらの用語と、事業概要を参考に解釈すると、
日頃収益を上げている通信料だけではなく、au PAY、au スマートパス、auでんきなどあらゆる生活サービスを纏めてauの商品として継続的に活用してもらい、1アカウントあたりの売上を成長させるよ~ってことです。
顧客からしたら、auで生活に必要なお金(電子決済や公共料金)に関するサービスが一括で受けられ、その分お得なら、どんどん利用するよね~って話です。
まあ、お客をauで囲い込もうって話です。
悪い意味ではなく、その方が便利なので。
ただ、似たようなビジネスモデルが多いので、競争は激しいでしょうが。
でもこれって色々応用できます。
auのサービスを使ってもらえば、顧客がどのような消費行動をするのかというデータがとれます。
その情報を企業に提供するビジネスも出来ます。企業からしたら、顧客情報をもとに、ニーズを発見しやすいので、事業の発展に有効なサービスとなります。
AI、IoTの時代だからこそ可能なビジネスモデルですね。
じゃあ、業績ってどんな感じか。見ていきましょう。
③業績数値
売上高:2020年度見通し 52,500億円(2019年度実績 52,372億円)
営業利益:2020年度見通し 10,030億円(2019年度実績 10,252億円)
売上・営業利益ともに前年と比較すると大きく変化はありません。
ただ、上期という枠組みで言えば、売上は前年から1.1%悪化。営業利益は6.4%の増加となっています。
要因としては下記になります。
売上:端末販売収入の減少
営業利益:端末販売コストの減少、エネルギー事業の粗利増加、通信料収入の増加
業績は一見安定しているように見えます。ただ、格安SIMの普及や、総務省による携帯料金の引き下げ要請など、懸念事項は多くあります。
僕の身近でも、楽天モバイルに切り替える人も増加しています。
だからこそ、通信料だけではなく、au PAYやau でんきなどのライフデザインサービス、そして法人向けのサービスの分野でいかに収益を安定させられるかということが今後の焦点になると思います。
4.まとめ
スマホなど自分達の身近に関わる通信事業。コロナの影響により、この業界はますます拡大していきます。ただ、競争も激しくなります。
個人としては、競争が激しい分、サービスの質も高まってくれれば消費側としても嬉しいです。
まあ、価格を複数の会社で固定するなど、独占禁止法に触れるようなことはしてほしくないですけど。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
P.S 現在休職中なので、ブログ書いてます。心理学や生活習慣、読書レビューを書いてます。↓
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