土木技術者の働きがい【第14弾_ゼネコン編 ~土木設計③~】
皆様、こんにちは!若手パワーアップ小委員会のTです。
このシリーズでは、「土木」と一口に言っても、様々な種類の仕事があり、各ポジションで若手はどんな仕事をして、どんなことに働きがいを感じているのかを紹介しています。
前回の記事はこちらのリンクからどうぞ。
好評をいただいております土木技術者の働きがいシリーズ。
実は「ゼネコン土木設計編」は過去に第6弾、第8弾ときており今回第14弾で3回目でございます!
過去の土木設計編に関する記事もこちらのリンクから是非ご覧ください!
さて、今回なにを話そうか悩んでいる筆者ですが、過去2弾のお話では主に「ゼネコンの土木設計部の仕事って何だろう?」を趣旨として具体的に投稿しておりますので、今回は筆者が純粋に「設計って面白いなー」と感じていることをお話出来ればと思います。
最後までお付き合い頂ければ幸いです。
1.定量的に物事を評価する
皆様、突然ですがゴジラの体重ってどのくらいかご存知ですか??
ネットで調べたところ、様々な諸説があるみたいですが歴代の中でも大きいといわれるシン・ゴジラの体重はなんと約9万tだそうです!
さすが怪獣王。圧巻ですね。
でもここで設計の仕事に携わる筆者からすると、下記のような疑問が浮かぶわけです。
「映画のなかでテクテク歩いているけどあの地面って本当に壊れないのかな?」と。
そこでゴジラの接地圧(1m²あたりに作用する力)を試算してみました。
接地圧 = ゴジラの体重 × 重力 ÷ ゴジラの片足面積(推察)
= 90,000(t) ×9.81(m/s²)÷300(m²)
= 2943 kN/m² ≒ 3000 kN/m²
1m²あたりに約300t!?恐ろしいですね。
以前、私が携わった現場で軟弱地盤をセメント改良した経験があります。
その時の平板載荷試験で強度確認を行ったとき、極限支持力の値は「1417.29kN/m²」です。
極限支持力というのは1m²あたりにこれだけの載荷荷重なら耐えられるよってことです。
ん~、これを参考にすると両足立ちでも地耐力がもちませんね・・・(笑)。
映画ではゴジラが地表面をテクテク歩いているわけですが、表層付近は少なくとも改良地盤体よりは強度が小さいと思います。
ですので、理論上はシン・ゴジラが東京の街を歩くと、地割れするか沼地でズボッとなるように足が地盤にずぶずぶのめり込んでしまいますね。
私の普段の仕事ではこれがゴジラではなく
①大型クレーンだったら?作業する場所が軟弱地盤上だったら?
②ではどのくらいの地耐力(強度)があればいいの?
そんなふうに物事を定量的に評価し、では具体的にどうすればよいか。こういったことを現場や発注者に説明、提案することが仕事の1つになります。
2.ゼネコンの土木設計部だからこそ!と感じること
過去の第6弾、第8弾でも説明されているように、工事現場は当初計画では想定していないトラブルや不具合があったり、最近では自然災害による被災も多かったりします。
また、
「より利便性のある施工に変更したい」だったり、
「前例のない工事をするけど安全面や品質面において心配だ」、
「生産性のある施工をしたい」などなど、
そういった現場や発注者のお悩みにも土木設計部が携わったりすることもあります。
上記を簡潔に表現すると、
①設計・計画に関わる技術的支援をする
②品質、利便性の向上を目指すための研究・技術開発支援をする
ということになりますが、こういった「様々な立場で支援をする」ということはゼネコンの土木設計部ならではだと私は思います。
もちろん現場と立場は違えど「一緒にものづくりをする仲間」であることには変わりません。その中でも「縁の下の力持ち」みたいな感覚で携わる土木設計の仕事が私は好きです
厳しい工程のなかで業務をこなさなければならないという状況もありますが、大変だった分、自分の設計したものが構築されたときにはとても感動しました(毎回出来上がるまでは内心ヒヤヒヤしますが・・・)。
3.さいごに
ここまで読んで下さりありがとうございます。
ゼネコン業界に関わらず土木分野の仕事は、大変な仕事も沢山あります。
ですが、最後までやり遂げた達成感や責任感は物凄く大きく、そういったことが仕事のやりがいだと思って日々精進しております。
そして、この記事をご覧下さった皆様に少しでも土木という分野にご興味を持っていただければ幸いです。
それでは次回の投稿もお楽しみに!