季語:蜃気楼、と、推敲(春の汗、抱卵期)
① オーブンの高層スフレ蜃気楼
② 快音のポールを逸るや蜃気楼
③ 蜃気楼見たいと君とミラージュへ(オマケ)
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① 比喩です。お菓子のスフレは、オーブンの中で焼いている時はふわっふわ、高々と膨らんでいたのに、取り出した途端にしぼんでしまうことがあると、レシピなどで見ます。自分で焼いたことはないのですが、オーブンの中でぼんやり見える様子と膨らみが消えてしまう様子を、蜃気楼に例えました。
② これも比喩です。カッキ―ン、高く上がった打球、場内大歓声。だがしかし、球はわずかにポールの外側へ。
③ オマケの先輩を見習って、ギャ句です。今朝蜃気楼を調べていたら、英語では「mirage」だと偶然知りました。(←有名?)ミラージュは私の愛車、嬉しくなって思わずオマケの一句を詠みました。
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推敲
◇元句: ひとり部屋家具組み立てて春の汗
→ 組み立ての家具ひとり部屋春の汗(alohaさん)
元の句が説明的だったのが、解消されました!
→ 「やったろか」家具の組み立て春の汗(花留さん)
かっこいい!こんな風に言ってみたい。家具の組み立ては実は苦手です。
→ 春の汗ひとりで家具の組み立てて(鶫さん)
「春の汗」を上五に持ってくることで、春からの新生活の爽やかな前向きな気持ちの中に、少しの寂しさや不安も想像できる、余韻が感じられます!
◇元句: 抱卵期ダリはたまごを頂けり
→ 抱卵期卵のダリも個性的(ラベンダーさん)
鳥の卵だけでなく、卵を好んだダリも個性的。ダリと卵のことを知らなくても、「個性的」と言われたら何かしらの想像ができそうな気がします。わかりやすいです!
→ 抱卵期ダリはたまごの夢を見る(鶫さん)
→ 抱卵期ダリの時計は進みゆく(鶫さん)
「たまごの夢を見る」とすると、ダリが卵に何かしらの好意や憧れを持っていたことが想像できます。
「ダリの時計」!ダリのあの有名な時計の絵が浮かんで、抱卵期の時間がゆらんゆらんと流れていくのが、映像で見えるようです。ダリと卵のことを知っていたら、ますます想像が広がりそうです。
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自分では、もう全然駄目だと思うような句でも、こうして皆さまからコメントやアドバイスやご感想をいただいて句が生まれ変わっていくのが、本当に嬉しく、感謝でいっぱいです。
今日もお読み下さりありがとうございます。
どうぞよろしくお願いします!