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✈︎ 秋の雑詠(釣瓶落し、秋の暮、秋冷、秋夕焼、雁の声)


鳥一羽釣瓶落しを告げをりぬ

鶴瓶落し:三秋/天文

ガード抜けあとは一人の秋の暮

秋の暮:三秋/時候

秋冷やペットホテルを洩るる声

秋冷:仲秋/時候

秋夕焼手にチケットと花束を

秋夕焼:三秋/天文

雁の声けんぱの跡のうつすらと

雁の声:晩秋/動物

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先日来、「秋」が入っている季語を多用している気がします。もっといろいろな季語を使いたいと思う一方で、「秋」は、それだけで詩情が感じられる季節であり、字であるのだなぁ、なんて思います。

トップの写真は我が家のベランダから見える夕陽。毎日のように眺めて、スマホの写真はオレンジ色だらけです。
完璧な快晴の空よりも、うっすら雲めいている空の時の方が、夕陽がくっきり見えます。快晴で遮るものが何もないと、眩しすぎて太陽の輪郭がよくわからなくなるのでしょうね。

釣瓶落しの句
たまたまだとは思いますが、先日鳥の声がしてベランダに出ると、まさに釣瓶落し、というタイミングでした。

秋の暮
中学生の頃の、帰宅の道を思い出しました。

秋冷
我家のすぐ近くに、犬の預かり施設があります。たまに早朝から、犬のキャンきゃんワンワンギャンギャン啼く声が賑やかに聞こえます。実際は「洩るる」どころではない音量です。

秋夕焼
身近な人の引退コンサートをイメージしました。

雁の声
この辺りのカナダガンは最近まで見かけなかったので、渡り鳥ということかもしれません。
昔を思い出しながらの、想像の句です。「けんぱ」は、道に輪っかをかいて遊ぶ、けんけんぱーのことですが、伝わりますか?

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