【けもの道のコーチング】人を表すHuman doing とHuman beingのこと
人を表すHuman doing とHuman being
「人」を表すのに、「Human doing」「Human being」という表現があると知りました。
どちらの「人」にコーチングするかで、結果がかなり変わってきます。
Human doing:行動
Human being:あり方
文字通り訳すと、「行動から人を見る」と「あり方から人を見る」です。
コミュニケーションの場面や人を知る場面で考えていきます。
まずはうれしかったり、ほめられる場面から。
ほめられて、その言葉を受け止めることができて伝わっていると言えるので、「ほめられる」の視点で整理します。
ほめられる場面
[Human doingのほめられる場面]
・資格を取った(合格した、結婚した、子供ができた、新車を買った、年収2,000万円など)
・人が集まったところで、みんなが楽しめる話題を話している。
・一人一人を尊重して全員から話をしてもらっている。
・いつも立ち姿がいい。(笑顔、声、リアクションなど)
・ネガティブなことを言わない。(前向きなことだけを言う、困った状況になっても最後は何とかしている)
・みんなが困ったときに新しい視点のアイディアを出してくれた。
・撤退しかない状況なのに誰も言い出せなかったときに、勇気を出して言ってくれた。
・雰囲気に呑まれず、つねに事実に基づいて提案してくれた。
特に子供向けには、
・100点を取った。(100m走で優勝したなど)
・宿題をやってきた。
・授業で発言をした。
・グループ活動でみんなをサポートしていた。
・計画的に勉強した。
・整理整頓している。
・家事を手伝ってくれている。
・困ったときに相談してくれた。
[Human beingのほめられる場面]
・「いつもゴミ拾いしているのを知っていてくれてた」
・「大事なメンバーの一人だと思われているのが伝わってくる」
・「耐えていることを知ってくれていた」
・「任されたことについて、途中で口を挟まなかった」
・「ユーモアが伝わり、笑いのポイントが一緒だった」
・「一人一人に言葉を使い分けていたのをわかってくれていた」
・「責任を引き受けていることをやっていることから感じ取ってくれていた」
・「友人がうまくいくよう、気づかれないレベルでサポートしていた」
・「友人が目標達成したときに、心から喜んでいた」
整理
Human doingとHuman beingを整理すると、こういうものと言えます。
Human doingとは:
行動、結果、成果、やり方、手順、発言したこと、特別なことなど、見えるもの、目立つもの。
Human beingとは:
あり方、行動の理由、考え方、好み、大事にしていること、感情、価値観、無意識の振る舞い、発言しなかったこと、習慣、常識、普通など、見えないもの、見落とされがちなもの。
まとめ
コミュニケーションするときには、相手の行動や結果(Human doing)にのみ注目しているのではないでしょうか。
それは、「確実な事実」だから間違いないからです。その事実の評価もまた大きく間違うことはありません。
(例:「遅刻」という事実に対して、遅刻がダメな理由は両方とも言葉にしなくてもわかっています)
一方、あり方、考え方(Human being)は、人それぞれ違うし、相手の領域に踏み込むことになるので慎重にする必要があります。相手の領域に踏み込むときには、相手の了解を得ないといけません。自分の考えだけで相手の考えを勝手に決めつけて断罪すると、間違っている可能性が高いし、パワハラとなります。
だから、行動や結果(Human doing)にのみ注目してしまうのですが、[Human beingのほめられる場面]を想像すると、ほめられる側もうれしいし、信頼関係が深まります。
ぜひとも相手のHuman beingに触れられるよう、相手に丁寧に確認して、認めていることを言葉で伝えましょう。さらに、相手が感じていることを丁寧に聴いて引き出していき、基本的にすべてを肯定しましょう。
次の行動の提案をやりがちです。それは、相手の今を否定して目標を勝手に決めることになります。善意や信頼からの言葉であったとしても、その場では言わない方がいいでしょう。
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