建築はナマモノ
夫は建築設計の仕事をしているので、
日々現場監督や職人さんとやり取りしながら家を建てている。
今日は夜、夫から建築現場の話を聞いていた。
建築現場では、
予定になかったことが起こったり、
人的ミスが起こることもたくさんあるらしい。
例えば、
設計図と窓の位置が10cmズレていたり。
床と平行になるはずの窓の桟が大きく傾いていたり、
見積もりには無かった金額が後から上乗せされたり。
そういう時、
「設計図通りにやり直せ!」
と言う場合も無くはないが、
その案件によっては
「そのまま進めて良いですよ」
と現場に恩を売っておき、
代わりに設計当初には無かった案を後から追加して、
その要求をのんでもらったり。
見積もり額によって、
どこがその額を負担するか、
按分したり、
ミスが続いていたら、
負担してもらったり。
そんな感じで
「お互いの要求をのんだりのまれたり、
お互い様でやり合いながら、
なんとか家を形にしていく」
らしい。
「建築はナマモノなんだよね。
だからもう義理人情がめちゃくちゃ大事で、
お互いにどこまで思いやって人間らしくやり取りできるかにかかってる。
ミスは一切許しません!
ってスタンスだと、
なかなか家は建たない。」
うーん、面白い。
そうだよね。
人が作るものだから、
ミスは絶対起こる。
それをどこまで許容していけるか。
最初に構想した完成物にどう近づけるか。
ナマモノだから、
出来上がるまではわからない。
めちゃくちゃ人間らしくて、
ものづくりの世界だなあ…
私の仕事も、
結局人がやっていることだから、
ミスは起こる。
それにどう対処していくか。
ドライに割り切れることばかりじゃない。
義理人情と、論理と。
バランスだよね。