詩/黄色いくるくるかえる
「黄色いくるくるかえる」
雨上がりの公園で黄色い傘をさす子ども
飛び石の水たまりで黄色い長靴がはしゃいでいる
黄色いかえるが歌をうたっている
黄色いかえるに声をかける
ねぇねぇ雨あがったよ
知ってるよって言ってポーズを決めるかえる
じゃあなんで傘さしてるの?
楽しいからって言ってくるくると傘を回すかえる
黄色が好きなの?
黄色も好きだけどほんとは透明の傘が好き
そう言ってポイって傘を転がしたかえる
どうして透明の傘が好きなの?
雨の粒が見えるしお空も見えるから
そう言って大きな水たまりにジャンプしたかえる
うわ!びしょぬれだよー!
けたけたけたと足踏みして大笑いするかえる
ズボンが泣いちゃったよ
お日さまと一緒だねって言うかえる
え?お日さま晴れてるよ
お日さまよく泣いちゃうし
でも泣いちゃうの我慢しちゃかわいそうだし
だからね、僕ちゃんと傘持ってるから
いつ泣いてもいいからねって言いたくて
僕の傘を見てもらってるんだって
そう言って転がしていた傘を拾うかえる
じゃあね、ばいばーいと言って
黄色い傘をくるくる回すかえる
小さな点になっていくその子は
黄色いくるくるかえる