詩/カタチのない結び目に
その結び目がほどけたのは
ほどけるように結んだ時の優しさか
もしくは結びの時の優しさか
優しさを忘れた結び目をほどくには
時間をかけて挑むか
それとも、切ってしまうしかない
手を握ることを手を結ぶともいうが
結んで開くという歌もある
おにぎりのことをおむすびともいうが
おむすびにはきっと優しさがあるから
ほどける場所がある
結ぶとはきっと前提として
ほどける優しさがあるという
ことなのかもしれない
嗚呼この結び目は硬くて
いつまでもほどけないから
時間をかけて挑もうか
それとも、切ってしまおうかと
カタチのない結び目に
口を結んでいる