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日本がITを使えない不幸な理由

最近「日本はIT後進国か」という議論がある。それに対して「アジアですらすでに後発だ」「いやいや、その議論は眉唾だ」など紛糾している。

自分で考えたときに、「明らかにトップオブトップではない」と思う。というのも「DB的な思考」が欠如しているからだ。DBと書くとちょっと難しいので置き換えると「雛形」としておく。

雛形の目的は明らかに「効率化」であり先に雛形を設計しておくことで今後の生産性を高めるわけだが、ほぼほぼ設計の説明後の運用時に「ここ変えられない?」という質問が来る。

原因の多くは設計時に利用時の想定を可視化できていないことが原因だけど、ある時は「ある人に言われたから」ある時は「そんな計画じゃなかったから」という理由で無理くり改変されていく。

そうなると「雛形の劣化」が始まり、高かった生産性を削いでいく。すると周りは「お前の設計のせいだ」という指摘に変わり「なんだよ融通の効かないITなんてダメだ。やはり痒いところに手が届くものじゃないと」という流れになる。

面白いのはよく日本を賛美する「おもてなしのサービス」は「定形化されない(属人的な)サービス」であり、「ものづくりの強み」も「オーダーメイドとしての一点物」というように、高い生産性を否定し、オリジナルを賛美する風潮なのである。

高い生産性とは、ある部分を切って捨てて、効率化を図りトータルで得せよという概念なのだが、日本人は捨てるなんて「勿体ない」という思考なのだ。

ITの概念は前にも述べたが「機械に同じことをさせて生産性を上げるモノ」であるが故、この日本における「全方位的な痒いところに手が届く」というものには不向きなのだ。

そもそもこのオンライン時代に「ものづくり」と曰う輩がIT先進性があるとは思えない

想像するにあと10年はうだうだして過去資産を食いつぶし、貧乏で余裕が全くなくなった先に極端なことになるのであろうが、今しばらく不毛な時期は続く気がしてならない。


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かわむら よしひろ
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