野々村芳和社長のこと

野々村社長が最近気になっている。

サッカーJ1チームの中での発信力がとんでもない社長なのもあるが、聞いていて「これはちょっと違うのでは?」というのが少ないのも要因だ。wikiで調べてみると驚きの同い年なんですね。しかも病気を克服してという。自身と比較にならないガッツだ。

何が好印象かというと発言の根拠が明確で、難しいことは難しい、個々の施策の狙いをきちんと言語化して「何故いまこれをするのか」という背景を説明できていること。案外サッカー関連の社長で「きちんと届くように発信」できている人は少ないんじゃないかな。

新年の動画を見ていても「去年はなんとかなったが、今年は大変だ」と言っており、どこかの偉いさんのように「根拠なくコロナ禍の事態が解決する」とは思っていないのは、全く同意である。いま、やれ飲食店が観光業がと言っているが、危機はどの業界も地続きで、実ビジネスのスピード感が失われているいま、全業種の経営が急ブレーキがかかること事態は自明と言える。

経営が行き詰まると、雇用維持出来るかどうかは経営体力と業態変革であり、「今までの延長で」と考えていては、即座にブレーキがかかってしまう。野々村社長の面白いのは、変化を言いつつもある種の諦めも同時に述べており「ダメなものは、逆立しても変わらないよ」という達観さも持ち合わせている。

そう、社長を気にする魅力がこの達観さなんです。IT系の社長もイベント系の社長も「すごい」と言われる人は押し並べて「ポジ一辺倒」で、ダメな部分は隠す、認めないのです。いまの為政者もそうだけど「ネガティブなことは言わない。そのためには嘘をついても構わない。それが正義だ。」と信じて疑わない。

それに関して、自身のセンサーは「そうじゃない、そうあってはならない」と言っている。うまく行かないときも「何故うまく行かないか」を言語化し、それに対する対策を見せて一歩一歩前に進む。そういう経営やプロジェクト推進を行う事がどれだけ重要か。「謝ったら負け」でないそんな考えを持つ人が増えるといいなと心から願っています。

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かわむら よしひろ
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