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「乳液」はクリームの代わりなのか?


母の鏡台には、必ず化粧水と乳液がセットで置いてあった。だから、コンビで使うものなんだと思い込んで、大きくなった私。ところが、化粧水や乳液以外にも、クリームやら美容液、アイクリーム、マスクなどがあることを徐々に知ることになり、うちの母は随分とシンプルなケアを長年続けていたのだなぁと、今になって思う。

そんな母だが、オイリースキンなこともあり、もちろんシミやらソバカス、たるみがあるものの、あまりシワっぽくない。シンプルなケアでも継続が物をいうのだなぁとつくづく思う。スキンケアに一発逆転はない。


で、母はずっと乳液を愛用していたけれど、じつは私は乳液のテクスチャー(感触)があまり好きではない。みずみずしいけれど、ベタッとして肌に入っていかない感じがして、どっちつかずというか、肌がベチャッとする感覚がいつまで経っても好きになれなかった。だから、省いてしまうことが多く、ベースは化粧水→アイセラム→美容液→クリームといったルーティンであることが多かった。

ところが、私の乳液の概念を変えてくれたのが「先行乳液」の存在。アルビオンやコスメデコルテなどが採用している、洗顔後すぐに使う乳液のことを指す。乳液をコットンに取り、クルクルとなじませるようにして肌にのせていく。そのあとに化粧水をつけるので、肌表面がスッキリするというか。それでいて、肌の内側からもっちりと柔らかくなる感じが先行乳液でしか味わえない感覚で、虜になった。

ここから乳液に対する苦手意識がだんだんとなくなってきたものの、乳液をクリームの替わりに使うことに抵抗も。乳液は水分の方が多い(場合が多い)から、どうしても時間が経てば蒸発していくし、クリームほどの油膜感で肌が守られている感もなく、不安に(苦笑)。そのため、なかなか乳液は試してみるものの、長続きしなかったのが現状だ。


だから、乳液はクリームの替わり、省いていいものだと思っていた。ところが、自分の肌ではないところで、乳液の威力を知ることとなる。


それは・・・!


ベビースキンケアで、だ。子どもが生まれ、アトピー肌の私は、あらゆるツテを駆使して、妊娠中に子どもにアトピーを発症させないポイントはないものかと取材し、その中の1つに「スキンケアを生まれたときから行うこと」ということを知った。肌の構造などから理論的にも納得ができ、これは行っていこうと早々に決めたという経緯がある。

で、ベビースキンケアのアイテムにはミルク(乳液)とクリームがあり、季節で使い分けたり、乾燥具合によって重ねづけしたりが推奨されている。我が子は初夏生まれということもあり、夏の間はミルクを使っていたのだけれど、秋口になり、途端に乾燥するようになって、クリームに切り替えたときのこと・・・


肌にクリームがなじまない!!!


なんでかな? と思いつつ、数日そのまま使い続けていたのだけれど、状況が変わらず、ミルクに戻し、その上からクリームを重ね付けすると、なんと! 肌にしっかりとなじみ、もっちり感が格段にアップ・・・もともと探求することが好きな性格なので、「なぜなのか?」を理論的に考えてみたところ、1つの推測ができた。

それは、乾いた肌にクリームを塗るのは、パンに硬いバターを塗るのと一緒でなかなか溶け合わない。けれど、ミルクは水分を含んでいるから、パンに染みていくようなものなのではないかということ。ミルクは、肌とクリームを結びつける役割をしているのだ。

ということは、大人のスキンケアであっても、化粧水の水分とクリームの油分の両方が入っている(クリームにもだいたい水分が入っているけれど・・・)乳液はつなぎの役割をしているのではないかと考えた。で、改めて使ってみると、やっぱり赤ちゃんの肌と同様にもっちり、みっちりとするのである。あぁ、こういうことだったのか! と思ったものの、さらにメーカーさんに取材をすると、化粧水の潤いを肌に留める役割を果たしているのが乳液だとの回答もあり、日本独自の考え方ではあるけれど、化粧水と乳液のセット使いが日本人の肌、環境、習慣には合っているのかもしれないと改めて思えた。


なので、外資系の乳液に同じ効果があるかというと、ちょっと違ってくるのだけれど、国産ブランドならば、ぜひ乳液も一緒に使ってみて欲しい。きっと今までにないもっちり&みっちり感を感じていただけるはず。私は我が子のベビースキンケアで気づいて以来、国産ブランドは乳液とクリームのW使いを欠かしてない。この肌感がとても好きだからなのだけれど、調子もいいのだ。


乳液、復活論。勝手に唱えていきたい。




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