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中小企業の資金調達 補助金申請について

中小企業の資金調達の一つとして補助金の活用は定着しつつあるのかと思います。国や地方自治体による補助金制度を上手く活用して、資金繰りをスムーズにする・・・補助金バブルと言われた2~3年前と比較すると、落ち着きつつありますが、それでも調べれば活用できる補助金はいくつかあるはずです。

企業が補助金を申請するときに、外部のコンサルタントにサポートを依頼してもいいですが、社内人材で申請きでるほうが高額なコンサル費用もかからずメリットが多いと考えると思います。社内人材に任せるなら経営企画部に、という経営者も多いかと思います。一方で、これから補助金を活用したいという相談もまだまだ多いです。

私は会社員時代に勤務先のものづくり補助金と事業再構築補助金を採択されたほか、補助金申請サポートとして様々な業種で20件程度の補助金を採択させてきました。最近では、企業の経営者や経営企画のスタッフが主体となって申請書を作成できるようにするセミナーやサポートもしております。これらの経験から、企業が自分たちで補助金を申請する際のポイントを紹介したいと思います。

今回は、まだ補助金申請をしたことがない・よくわからない経営者や経営企画担当向けに、補助金そのものについて、よくある誤解を含めて紹介したいと思います。

よくある誤解1.補助金はすぐもらえる

補助金に関して最も多い誤解は補助金は採択されればすぐもらえる、というものです。基本的には補助金を申請~採択~補助事業の実施~報告書提出~入金、という流れになります。補助金の種類にもよりますが、早くても採択から入金まで半年から1年くらいかかるものが多いです。補助金に採択されても基本的には先に支払いをして、後で補助金の入金があるという流れなので、入金までの資金の手配(金融機関から融資を受けるなど)は必要です。

「新規事業を始めたいけど、資金がなくて銀行からの融資も難しいので補助金を申請したい」という相談をビジネスマッチングサイトで一定数みますが、全然調べてないなって思ってスルーしてしまいます。

補助金は、先に支払い・後に入金、この原則をまずはおさえてください。

よくある誤解2.補助金は色々な経費に使える

次によくある誤解が、補助金は色々な経費に使える、というものです。新しいパソコンを買いたい、ホームページを作りたい、新店の仕入に使いたい、人件費に使いたいなどなど・・・もちろんこれらの経費に使える補助金もあります。ただ、補助金ごとに対象経費は決められているので、そこはしっかりとリサーチをすることが必要です。

特に先ほど例にあげたパソコン・HP制作費・仕入・人件費といったものを対象経費にしている補助金は割と少ない、対象になっていても条件付きというケースが多いです。逆に、機械や設備を購入する、システム制作費、展示会出展費用やネット広告・チラシやパンフレットの制作費、といったものは比較的対象になっている補助金が多いです。

投資対象が補助金対象経費になっていないと、時間かけて申請書を作成しても、そもそも申請対象外で不採択・・・なんてケースもあり得るので注意してください。

よくある誤解3.補助金は資金繰りに困っている事業者のためのものである

理解をしやすいように3つ目にしましたが、実はこの誤解が一番多いかもしれません。「補助金は、資金繰りに困っている事業者を助けるためのものだ」という誤解です。

はっきり言ってしまえば、補助金は困っている事業者のためのものではありません。「補助金は、新しい事業や取組みをしたいけど、リスクもあるので資金面でサポートしてもらえるとありがたい」という、これからさらに成長していきたい企業を後押しするための制度です。

国や地方自治体は、補助金として税金を投入するので、利益を出して法人税などで返して欲しい、というのが本音です。実際に、多くの補助金で補助事業を実施するための財務力があるかどうかということを審査項目の一つに入れています。

続編で補助金申請書の作成ポイントについて書きますが、ストーリーとして、新しい事業や取組みをして利益を出すので補助金をください、というポイントは外さないようにしてください。


続編の補助金申請書の作成ポイントについては、次回以降でまとめたいと思います。

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