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「ビジョン」と「コアバリュー」の重要性

新年あけましておめでとうございます。昨年から始めたnote、2025年は積極的に執筆していこうと思っているので、よろしくお願いします。

昨年から人材戦略に関する相談が増えています。中期経営計画の立て方とそれに基づいた採用計画といった戦略系の話から、若手人材の採用に必要な福利厚生といった制度設計の話までありますが、特に年末に多かったのがビジョンやコアバリューについての相談です。

コンサルタントとしての私個人の意見としては、経営理念・ミッション・ビジョンやコアバリューというものは、経営者もしくは取締役までの経営陣で作成すべきものと思ってます。一方で、経営企画部や執行役員といった従業員が経営陣を巻き込んで作成していくケースというのも割とよくあり、私も会社員時代に経験しております。なので、経営企画としても知らないというわけにはいかないものです。

前段が長くなりましたが、本記事では、ビジョンとコアバリューを設定し、効果的に活用する方法を解説します。


1. ビジョンを明確にするための考え方

ビジョンとは、企業が目指すべき未来像を示したものです。特に中小企業においては、全社員が共感しやすく、具体性を持った内容が求められます。

ビジョンを作成する際の質問例

ビジョンを明確にするためには、以下のような質問例を検討します。このプロセスにより、目指す未来像が具体的になり、社員全体で共有しやすくなります。

  • 私たちが大切にする価値観は何か?

  • 私たちの事業の強みやフォーカスすべき分野はどこか?

  • 10年後の理想的な企業の姿は?

  • 私たちが価値を提供する相手は誰で、どのように提供するか?

  • 中期的(3年後)の成果として何を達成しているべきか?

  • 直近1年間で最も重視する計画は何か?

  • 現時点で優先的に解決すべき課題は何か?

これらの質問例を基にディスカッションを重ねることで、ビジョンの具体性が高まり、社員が共感しやすい内容に仕上げることができます。


2. コアバリューが組織にもたらす効果

コアバリューは、企業内で共有すべき価値観や行動基準を明文化したものです。これが適切に設定されると、企業文化が形作られ、組織全体が一体感を持って行動できるようになります。特に、中小企業ではコアバリューを明確にすることで、限られたリソースの中でも最大限の成果を引き出すことが可能です。

コアバリューがある会社とない会社の違い

  • コアバリューがある会社:
    コアバリューを持つ会社では、社員が価値観に基づいて行動するため、組織の方向性が統一されます。採用や評価の基準が明確になることで、モチベーションの高い人材が育ち、社員同士の信頼感も高まります。その結果、離職率が低下し、組織全体のパフォーマンスが向上します。

  • コアバリューがない会社:
    一方で、コアバリューを持たない会社では、社員がバラバラの価値観で行動するため、方向性が統一されず、組織内で混乱が生じることがあります。採用や評価基準が曖昧になることで、不公平感が高まり、社員の士気が低下するリスクも高まります。また、組織文化が自然発生的で場当たり的になるため、長期的な成長が難しくなります。


コアバリューが組織に与える具体的な効果

  1. 採用力の向上
    コアバリューを明確にすることで、企業文化に合った人材を採用しやすくなります。面接でコアバリューを軸に質問を行うことで、価値観が一致する候補者を選びやすくなります。

  2. 社員の一体感を強化
    共有された価値観があることで、社員が同じ方向を向いて行動するようになり、チームワークが向上します。

  3. 意思決定が迅速化
    コアバリューを基にした判断基準が組織全体で共有されていると、意思決定がスムーズに行われ、業務効率が上がります。

  4. 企業文化の強化
    コアバリューが定着すると、社員が日々の業務の中で企業文化を体現するようになり、組織全体の一体感が深まります。


3. コアバリューを活用して意図的なカルチャーを作る方法

コアバリューは、意図的に企業文化を作る基盤です。それを組織に浸透させ、行動に反映するための具体策を以下に示します。

ステップ1: 日常業務に反映する

  • 採用プロセスでは、応募者がコアバリューに共感できるかを確認する。

  • 評価基準をコアバリューに基づいて策定し、一貫性を持たせる。

  • 育成計画にもコアバリューを反映し、社員が具体的に実践できるようにする。

ステップ2: 全社的に浸透させる

  • 定期的な社内ミーティングや研修を通じてコアバリューを共有する。

  • 具体的な成功例を挙げ、コアバリューが生きた行動であることを伝える。

ステップ3: リーダーが模範を示す

経営陣やマネージャーがコアバリューを体現することで、社員が価値観を自然と受け入れるようになります。


まとめ

コアバリューは、単なるスローガンではなく、組織全体を導く力強いコンパスです。経営企画が経営陣とともにビジョンとコアバリューを設定し、それを企業文化の基盤として活用することで、組織は一つの方向へ進む力を得られます。
ぜひ、自社のビジョンやコアバリューを見直し、新たな成長の一歩を踏み出しましょう。

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