感想&雑感:『当確師』真山 仁(著)
どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。
今回は、経済小説で有名な真山仁氏の『当確師』を題材にして書いてみたいと思います。
1.選挙戦略と駆け引き
『当確師』の中では架空の市の市長選挙をテーマにして選挙戦略・権力闘争の駆け引きを描いてましたが、これは今回の(第49回)衆議院選挙における野党共闘の構図にも似ている側面はあったと思います。それが如実に相関関係があると思ったのは連合の動きです。
上記画像は東京12区の結果です。東京12区に関しては、立憲民主党の支持勢力の1つである連合(東京)は公明党の岡本三成氏を支援すると表明しました。このように、立憲民主党の支持勢力である連合が共産党と立憲民主党が手を組むということで一枚岩になり切れていなかった側面が、東京12区に限らず各地の小選挙区でぽろぽろ見受けられました。『当確師』の中では個人ベースでの力関係の揺れ動きやスパイを送り込むといった緻密な戦略が描かれていましたが、誰と組むか?という部分が支持勢力の支持の仕方にも影響するという側面があるというのは如実に相関関係があると私は思います。
2.茨の道だけど
『当確師』のストーリーでは最後現職だった市長が選挙で敗れ、民主主義は政治を変える上で最も手軽なツールであることが表現されています。しかし、その時点における現職が居座るという事はそれに付随する権力構造がセットにあるという事を物語っていて、それを変化していこうというのは正直言って茨の道です。
実際、今の日本維新の会が松井(大阪市長)・吉村(大阪府知事)体制になってようやく衆議院参議院で議員提出法案を単独で出せるだけの国会議員が当選するまでに5,6年近く掛かったという流れを考えても、民主主義によって政治を変えるというのは茨の道ではあると思いますが、不可能ではないという事を物語っているのが『当確師』だと思います。