読書感想文「占星術殺人事件」
本日は読書感想文だ。
先に結論を述べておくと、私には合わなかった。
なので、占星術殺人事件が好きな方や褒めて欲しい方はこの先は読まない方が良い。
私には合わなかったが、著名な作品であることは間違いない。
読んでおいて損はないだろう。
Amazonのリンクを貼っておくので興味のある方は読んでみて欲しい。
例のごとく私には1円も入らないので気にせずポチって欲しい。
まずはあらすじを話そう。
講談社文庫の右欄に書いてあるあらすじをそのまま抜粋する。
端的に探偵シリーズ物の第一弾と言うことになる。
あらすじのように設定がなかなか手がこんでおり、期待値がかなり上がる。
この先はなるべくネタバレにならないように感想を述べる。
私に合わなかった点は大きく2つある。
①トリックがわかってしまった
最も重要な部分でマイナスとなってしまった。
島田先生の名誉のために言っておきたいが、全く島田先生のせいではない。
トリック自体はかなり難しい類のトリックと言えよう。
難しいと言っておきながらなぜ私が分かったのか。
これはひとえに現代ミステリーの原典の一つと言えるからだろう。
現代の若者がドラゴンボールを読むとあまり楽しめないと言う話があるが、これは現代の少年漫画はドラゴンボールの影響を多大に受けているからである。
ドラゴンボールの影響を受け、なおこれに味や個性を足したものが現代の少年漫画と言える。
そのため、現代の若者がドラゴンボールを読むと薄味で素材の味を大事にした出汁だけ飲んでいる気持ちになるそうだ。
話を戻すと、私と占星術殺人事件もちょうどこの関係にあたる。
私はミステリーが好きで、それなりに読んできた過去がある。
少し古いミステリーは、現代でオマージュが作られているものがたくさんある。
占星術殺人事件はかなり著名なミステリーであるため、オマージュもたくさんある。
その結果、私の現代のミステリー知識からトリックがわかってしまったのだ。
ミステリーの面白さはトリックだけでは無いが、大部分を占めるのは間違いない。
これが失われてしまったのは非常に悲しかった。
②主人公の御手洗と石岡が好きになれなかった。
私はルパンシリーズが好きだ。
ただ、ルパンの展開は毎度同じだ。
映画版であれば、まずルパン一味が犯行予告をして犯行に臨むがこれに一度失敗する。
次にルパン一味は、これを奪い去った個人もしくは集団を追う。
最後は、この秘宝の謎が解け、街や世界が大変と言う状態になるが、ルパン一味の活躍によって無事解決と言う展開だ。
これだけ展開が同じでも好きな理由は、ルパン一味のキャラが好きだからだ。
話の展開を見たいと言うよりも、キャラがどんな活躍をするのかを見たいのだ。
話を戻そう。
ルパン好きの論理を使うなら、トリックがわかってしまっても、登場人物に感情移入出来れば救われるはずだ。
だが、私は主人公の2人に感情移入できなかった。
登場人物の人となりを紹介しよう。
人物紹介も避けたい方は読まないことをおすすめする。
御手洗はいわゆる人付き合いが苦手なタイプの探偵にあたる。
御手洗に限らず、多くの探偵はその天才ぶりから変人奇人扱いをされている。
かの有名なシャーロックホームズも変人奇人扱いされている。
変人奇人も多種多様だが、御手洗はかなり人間臭いタイプで、中盤にトリックが解けない際には悩み過ぎて追い詰められている。
解けると豪語しておきながらサクッと解けなかったり、悩んでる人間臭さが出ていたり、そう言う部分が好きな方には合うだろう。
ただ私はビッグマウスには苦労しているところを見せて欲しく無いタイプなので、そこが合わなかった。
もう一人がワトソン役の石岡だ。
私は石岡の方がさらに合わなかった。
石岡自身、御手洗の頭の良さを疑ったことはない、と言う旨の話をするのだが、そういうわりにはたびたび御手洗の推理が上手くいくことを疑う。
あげく単独行動まで出る。
単独行動が後々ヒントになるのかと思いきや特にならない、などなど。
個人的には、主人公の活躍を信じてこそ友人のポジションでは、と思うが彼はそうではないように見えた。
私は物語の中で「バディ」のようなものを感じたいのかもしれない。
まとめると、もちろんのことだが完全に個人的な理由で占星術殺人事件とは合わなかった。
ただ何度も言うように私に合わなかっただけで、占星術殺人事件と言う傑作が色褪せることはない。
感想は人それぞれである。皆さんもぜひお手に取ってみて欲しい。
若井俊頼
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