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声劇用台本

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記事一覧

【オーディオドラマ】南紀異界ホテル

南紀異界ホテル 作 松永 恭昭謀 登場人物  私  支配人  女  1 女 ああ、やだやだ。 女 パンダと温泉、この二つで全国的に有名なこの街は、観光に飽きてしまうとやることない。めったに顔を合わせない父親が、急に旅行に行こう。っていうので、なにやらかんやら日頃の罪滅ぼしかよ。しらんけど。しかたがないない、まあパンダを見れるし、いいかいいかと来てみれば、ああ、やだやだ。本当はこの街で仕事があるついでで、父親はクソホテルに、お金と観光クーポンと観光雑誌、それに趣味の悪

【声劇台本】御成愛式目

御成愛式目 登場人物  おゆり 16歳  与吉  16歳  吉村 エリ  16歳  古瀬 翔(ふるせ しょう)16歳/巨勢 新造(こせ しんぞう)  時と場所  江戸時代、元号でいうと寛文10年(西暦1671年)頃の農村。  夏頃の、河川敷と、与吉の家。 1 祭りばやしが聞こえてくる。 エリ ふぁ~~(大あくび)。 翔 もしかして、つまらない? エリ いや、まあ。 翔 吉村さん、お祭り好きだって。 エリ 好きだけど、これって、なんていうかお祭りなの? 翔 いやいやいや

【短編朗読劇台本】アスファルト

アスファルト 作 松永 恭昭謀 登場人物  語り  モグラ  女  犬  フクロウ   1 語り モグラはとても腹を立てていました。鼻がもげるような嫌なにおい、頭にゴンゴンと響く機械の騒音、それに体をじりじりと焼く熱。それは地面の上で人間がアスファルトを敷いていたのでした。いくら鳴いても喚いても、工事は止まるわけがありません。モグラは穴の端の方に横たわる女を蹴り飛ばしに行くことにしました。 女 お久しぶり。 モグラ やっぱりまだいた。 女 ええ、私はもう動けないから。

【声劇台本】声劇で美人になる方法

声劇で美人になる方法 一人芝居 はじめまして。声劇を始めようと思うんですが、声劇をはじめてきくよって方もおおいんじゃないでしょうか。 知ってるよという方はすいませんが、まず、声劇のいい所の一つは想像力です。想像。例えば。私が今、宇宙にいます。というと、ここは宇宙になるんです。これが、映画やテレビドラマにはない声劇の持つ強みです。みなさんの想像力でここが宇宙になる。無限の可能性がそこにはあるんです。 今、みなさんの目の前には、私がいるだけです。どこにでもいる、とある地方

【声劇台本】Mary Sue

Mary Sue 登場人物 山本A 男 山本B 男 女 メアリー 女 季節 秋の終わり、冬の始まり。 山本A 行くはずもない同窓会のお知らせが届いた。ハガキを放り投げた後、ふと、まだ覚えてる同級生の名前を検索してみる。SNSで一人見つかるとその友達の友達をぽちぽちサーフィン。懐かしい顔。わー、あいつ、恥ずかしいアイコンだしてんな。うえ~、かいてることも恥ずい恥ずい。えー、あの子結婚したんだ。げ、子供生まれてる。わーーー。せつねい。うげ、こいつ出世してる。むかつく。で、適

【声劇台本】熊は熊であり、熊として熊である。

熊は熊であり、熊として熊である。 登場人物  熊   (佐藤)    男  学級委員(学級・山本) 男  飼育委員(飼育・藤野) 女  保健委員(保健・井上) 女  生徒たち 学校の放課後。部活動の音や、生徒たちの喋り声。 生徒1 この学校、熊出るんだって。 生徒2 熊? 生徒1 熊、熊。 生徒3 熊って熊? 生徒1 熊。 生徒2 ガオーの熊? 生徒1 熊、ガオーの熊。 生徒2 やばくない? 生徒3 出るの? 熊。 生徒1 学校に熊出るとかやばくない? 生徒2 やばいや

【声劇台本】ヒトノマエ

ヒトノマエ 登場人物 鈴木(男) 幽霊 所沢(女) 葬儀社社員 由宇(女) 鈴木の同級生 時と場所 街の葬儀場・小ホール 鈴木 目が覚めると、透明人間になってしまった件について。そうです。どうやらボクは透明人間になったようなのです。気づいたら、知らない場所で、大勢の人が花や写真を飾ったりしている。「すいません」と声をかけても誰も反応しない。これはいじめか? とも思ったが知らない人がそもそも無視するのも変だ。これはどうやらボクが見えてなのではないかと、あれやこれややってみ

【声劇台本】良き仕事家エヌ氏の、大いなる失敗。

良き仕事家エヌ氏の、大いなる失敗。 登場人物  エヌ 男  女 エヌ 本日はお集まりの紳士淑女の皆様に一つ申し上げたいことがあるのです。仕事に心などわいらない。そう仕事をするということは歯車なのです。そんな比喩がピッタリとくるように、仕事とは粛々と機械的に効率的に能率的に行うべきである。それがどんな仕事であろうが目標に向かい我々は一直線に時には迂回をして邁進すべきである。例えば皆様が今ごらんになっておる役者という仕事においても感情など微塵も必要ないのである。物語にそって感