店の成功はお客さんがたくさん来る事じゃない。来てくれる人と仲良くなる事。
「こういうサービスをやればもっとお客さん来ますよ!」とか「こういう日本酒を置けば今よりたくさんお客さん来ると思う!」みたいな事を言うお客さんがいる。
うちの店の事を思ってくれての言葉だろうけど、正直全然嬉しくないどころかとっても嫌な気持ちになります。
店側の人間をそういう気持ちにさせてる時点で、店の事を思ってるんじゃなくてただの自己顕示になってしまっているって事に気づいて欲しい。
「この人と仲良くなるの難しそうだなぁ」って思いながら話しています。
それを知ったら嫌な気持ちになるのお客さんでしょ。
「お客さんに対してそんな気持ち持ってるのか!」って怒る人もいるかもしれない。
だけどその気持ちを生み出しているのはお客さん自身です。
たった半年前の話、去年の12月は僕がおばこに入って以来最高の月売上を叩き出した。
要するに「たくさんお客さんが来た」わけだ。
その時の僕らは生活はこんな感じ。
閉店1時間半前にはもうクタクタで、お客さんが早く帰ってくれる事を祈り、片付けをするモチベーションも低いまま気合いで乗り切り店を閉め、家に戻って子供の寝顔を30秒だけ見て寝落ち。
次の日11時まで寝るがまだ眠い。本当は14時まで寝たいところだが仕入れに行かないと。今日も混むとまずいので仕込みもたくさんやらないと!
16時、店の準備を始める。「はぁー今日も混むのかなー。怖ぇなー。嫌だなー。」
17時オープン。嫌悪感マックス。「はぁー今日も始まっちゃったな。疲れるの嫌だなー。」
ね、幸せじゃないでしょ?だし、お客さんに失礼だよね。
店の成功は単にお客さんがたくさん来る事じゃない。
それは金儲けの成功。
僕らが考えてる成功はお客さんと仲良くなる事です。
名前は何で、どこでどんな仕事してて、どこに住んでて、何が趣味で、今どんな悩みを持っていて、どんな考え方を持っているか知っている人ばかりが席を埋めてくれて、僕らもお客さん同士も安心しながら一緒に夜を過ごす事です。
儲けた先に幸せがある価値観はもう古い。
幸せな儲け方を作るのが今の時代だよ。