日本の代名詞 漆器-japan- 螺鈿(高岡漆器"伝統とスマホカバー"~"螺鈿ガラス"は国内外で大人気)
高岡漆器「青貝塗(螺鈿)」の技法
取材・文/高谷治美 写真提供/姚遠
高岡を有名な漆器産地として発展させてきた「青貝塗(螺鈿)」 技法。螺鈿が青貝ともいわれるのは、薄貝によって青い色調が 出せるようになったから。その卓越した技術とは……。
高岡の螺鈿細工は、0.1mmという透けるほどの薄いアワビ 貝を使うのが特徴。直接下絵を貝に書き写し、細い針で切り抜き、切った螺鈿パーツを漆地や木地などにはめこんで模様を表現する技法をいう。漆の黒が薄い貝を通して透けると青く見えることから、高岡では 「青貝塗り」 と呼ばれている。
▼虹色に輝く青貝を0.1mmに削って加飾
何層にも漆を塗り重ね、薄い塗膜を作り磨くことで漆黒となるが、そこに螺鈿が加わることで深い光が生まれる。また、貝の裏面に着色または金銀箔を裏付けして使用すれば、「色底螺鈿」 といい妖艶な輝きを放つ。天然の素材と伝 統の技で作られたものは、何百年経っても変わらぬ美しさを保てるところに、途絶えさせられない価値がある。
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