日本庭園から見る中国文化②~石の景~
(構成・文:田中昭三)
三尊石組
日本庭園は自然石を組み上げて景観を造る。石組の基本は「三尊石組」である。大小3つの石をバランスよく組む。『作庭記』には、まず「おも石(中心石)をひとつ立て」、次に「その石の乞はんに従ひて」立てるべきだと説く。まるで石に「意思」があるかのようだ。
「雪舟が組んだ三尊石組が普賢寺(山口県光市)にあります。中心石を見るとそれ自体北宋山水画を連想させます。雪舟は中国明から帰国後山口を中心にいくつかの庭園を造りますが、中国の風景や水墨画を見て非常に刺激を受けたと思われます」
(斎藤忠一)
▲普賢寺の三尊石組。雪舟の作。中心石の縦の割筋は滝水を表わし、石組全体で龍門瀑を構成している(写真:田中昭三)
▲西芳寺の中島にある三尊石組。金閣寺や銀閣寺にこれを手本にした三尊石組がある(イラスト:蓬生雄司)
▲一乗谷朝倉邸跡の湯殿跡にある三尊石組。中心石を高く組んでいる(写真:牧野貞之)
▲金閣寺芦原島(あしはらじま)の三尊石組。西芳寺の三尊石組を手本にしたもの
▲醍醐寺三宝院(だいごじさんぽういん)の三尊石組。中心石は藤戸石(ふじといし)という(イラスト:蓬生雄司)
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