遣唐使~空海~ 日本で真言密教を立教開示し、高野山を開創した平安の天才
豪族の子として生まれ18 歳で都の大学へ入学
空海は、宝亀 5年(774)年、讃岐国に多度郡弘田郷(現在の香川県善通寺市)で生まれた。父は佐伯直(田公)といい、瀬戸内海周辺の豪族である佐伯氏の一族である。母は都みやこの知識階級の氏族であった阿刀と氏の出身である。幼名は真魚といい、聡明な青年であった。恵まれた教育環境をもち、15歳で都に出て、母方の伯父である阿刀との大足について儒教や漢学を学んだ。阿刀大足は、桓武天皇の皇子である伊予親王の個人教師を務めた学者で、何かと真魚に目をかけていた。真魚が18歳で大学に入学したのも阿刀大足の後盾があったからだろう。真魚は中央官僚になる道を約束されたのである。
静慈圓画「弘法大師空海御影(讃あり)」
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