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観察から始まるデザイン「どんとこいフィールドワーク!糸魚川編①」

注意:この記事は、私自身が自分の中に湧き起こった興味関心を掘り下げて納得いくまで追い求める個人的な衝動を記録したものです。物事を観察して理解し、出力するまでの過程の中に「あ、なんかこれデザインかも?」を見出して、お楽しみいただければ幸いです。。。!(全部で3部構成です)

こんにちは〜〜〜!
YUMEMI Advent Calendar 2024 の4日目を担当させていただきます、わかぼです〜〜!✌️
すっかり寒くなってうちに閉じこもりたくなってしまう季節ですが、一週間、1日平均で6000歩は歩くように心がけています…!
今回はフィールドワークについて書いていきます🚶

あっ、またそんなにパソコンばっかり見て…!!頭が固くなっているかも!?!?

皆さん〜!お疲れ様です〜〜!!
設計、資料制作、もろもろのビジュアルの検討などで首肩アタマ、凝っていませんか。。。
かくいう私も、毎日画面と睨めっこしてばかりで、そのうち首がカチカチになり目はしょぼしょぼに閉じ頭部の毛細血管がだんだん凝り固まって頭から青ざめてしぼんでしまうんじゃないか、いつか体を捨ててマモーにでもなってしまうんじゃないか…と不安に思う毎日です。

(そこまでではないです)


…いや、頭が固くなっちゃうってそういうことじゃなくって…!

「な〜んかいいアイデア浮かばないな」
「同じ画面を見過ぎて新鮮な感覚が思い出せないな」
「あれ、最初の目的なんだったっけ…!」

もしそう思っていたら、頭が固くなってしまっているかも…!?

大変!頭が固くなっちゃった!

そんな煮詰まってしまった時、新しい知恵や気づきのきっかけを授けてくれるのが、フィールドワークだったりしますよね。

今回は、既にスーパーフィールドワーカーな皆さんにも、まだまだビギナーだよ、という皆さんにも、「フィールドワークって最高だよね!」と思っていただけるような記事を目指したいと思います。
私が全身で体験した様々な気づきや喜びがどうか皆さんに伝わりますように🙏

趣味全開で、気の向くままに調査してまわったここ最近の私の「好き」をたっぷりお届けしたいと思います。💌
箸休めとして、楽しんで読んでいただければ幸いです。


それでは、今回の活動記録には欠かせない、私の衝動に付き合ってくれる稀有な素晴らしき友人M氏に感謝の念を表しつつ、2名体制で発足した「糸魚川(いといがわ)探検隊」による小さな大冒険の行く末をお楽しみください。

糸魚川編は、全部で3部の構成でお送りする予定です

始まりは「海」。そして「深海」から「地殻」へ。

私とM氏の出会いは湘南の海の近くで起こりました。
二人で楽器を背負って夕暮れの太陽を背中に潮騒の道を走ったのはもう10年も前になるようです…。
さて、そんな我々が自然と海に関心を持ったのは必然というかこじつけですが、神奈川県の足元をぐるっと浸す相模湾は大変興味深く、陸から近いところでも所によっては水深が200mにまで達するような、深みのある水たまりだったのです。
相模湾といえば新江ノ島水族館。私たちには非常に馴染み深い施設でありました。そこには常設展示でJAMSTECによる深海調査の記録が並んでおり、研究内容としては新しい、化学合成生態系についてだったり、しんかい2000をはじめとする、海洋調査における重要な資料が展示されています。

しんかい2000展示コーナーにて

水圧で縮んだブタメンのカップ…とか何度か足を運んだことがある方にとっては、「あぁ、あれね。」とすぐに思い浮かぶくらいには、(おそらくクラゲの次にくらいには)印象深い展示であると思います。

探検隊はなぜ相模湾ではなく糸魚川へ向かったのか、、、

ちょっとした海への興味が膨らんで、手にした本がありました。
元は原研哉さんがMCを務めるポッドキャスト「低空飛行」に著者の一人である藤倉克則さんが出演されていたことがきっかけでしたが、『深海-極限の世界 生命と地球の謎に迫る』(藤倉克則/木村純一編著、海洋研究開発機構協力)を読みました。
そこには海というデカい(デカい)器を理解するために様々な観点から読み解いていこうと、工夫を重ねるプロフェッショナルの生の言葉がたくさん書き記されていました。
藤倉さんが有人探査機で実際に調査に出て深海に降り立った時に、「まるでお味噌汁の中にいるようだった」とコメントを残されていたのが私の胸に残りました。

「調査船しんかい6500、お味噌汁の最深部に到達」


この本自体、前半は海洋生物の生態系の謎に迫るドキュメンタリー風の内容で、後半が地震などの地殻活動の解明に奔走する地質調査の内容をまとめた構成になっていました。
海の底、地殻へと意図せず興味が広がっていったのです。

だからなんで「糸魚川」なんだっつーの!

はいはい、私たち探検隊の調査先が糸魚川に決定する少し前の話です。もう少しお付き合いください。
地質調査の本を読んだ私は日本屈指の地球科学専門の博物館、「地質標本館」に行きたい…!と切望するようになります。

ボーリング🎳よりボーリング(掘削)ってな訳だ、、、このギャグはboringだね、、、。はい。

地質標本館があるのは茨城県つくば市。天下の学園都市です。私が住んでる神奈川県からはちょっと距離があって地味に足が重い。思い立ってから実行には数ヶ月かかりましたが、今年2024年の夏に、念願の地質標本館に行くことができました。

地質標本館入り口

そこの展示物は言うまでもなく、私の期待を超える質と情報量で、知りたいことがさらに増えました。そしてなんとその日は運よく、来場者向けの無料イベントが実施されていて、館長直々の説明で日本列島の成り立ちについて講義を聞くことができたのです。

地質標本館にて撮影、日本列島の模型(プロジェクションマッピングによる操作イメージ)

もう本当に面白かった。気になる方はぜひ足を運んでみてください。
館長の熱量ある講義と解説は、一時間立ちっぱなしの状況も苦に感じないような巧みさがありました。興味がなかった頃の勉強へのトラウマすら忘れ、私はM氏とえらく感動したのでした。
プレートテクトニクスの解説で、「冷えひえのアイスをスプーンでこそぎ取るようにして山々は形作られました」とお話しされてたのが印象的でした。
(私はそういう例えがとても好きなようです。)
当初の目的はボーリング技術や海底の地質について調べることでしたが、それ以上のものを得てしまいました。

「スプーンでこそぎとられるようにして山ができる」

日本列島、プレートテクトニクス、地質調査…のキーワードが並ぶと、活断層のことに触れないわけにはいきません。
断層とは、地震活動によって伸びたり引っ張られたりしたりした地面が圧力に耐えきれず割れたり隆起したりして段差やズレが生じた場所のことを言います。中でも「活断層」は、元気な断層の事を指すので、これからも変化が生じる可能性が大きいものを言います。(中学の理科とかで範囲だったな)

日本は世界で四番目に地震が多い国です。日常生活でも度々実感させられますね。
その理由は、日本列島が、地球を構成する超大きなプレート3つが顔をあわせる場所にあるから…なのですが、世界でも10枚ほどと言われているプレートのうち3つが交わる点なんて、なかなか無いです…。(←ただ隣り合っているだけではないんです)
結論から言うとこの3つのプレートの運動があるからこそ、日本列島が現在の形になったのですが、糸魚川は、その大地の運動を体感するのにもってこいの場所なのです。

そう、糸魚川市とは、「日本列島を分断する巨大な溝、フォッサマグナの西の端である活断層線糸静線の断面を直接見ることのできる、世界でも珍しい地形の観察スポット」なのです…!!


探検隊はまだ見ぬ糸静線に期待を膨らませ、新潟県糸魚川市へ向かうのであった…


次回!「どんとこいフィールドワーク!糸魚川編②」

さて。引っ張りますが、次回、糸魚川探検隊がついに西日本と東日本を跨ぎます!旅行中の衝動的展開に、ご期待ください。

次回の発信は12月14日(土)!
「糸魚川探検隊!新潟県糸魚川市へ上陸!」
「フォッサマグナミュージアムとヒスイ海岸」
「石が繋いだ思わぬ出会い」
の三本立てです!

YUMEMI Advent Calendar 2024はまだまだ始まったばかり!素敵な記事が目
白押しなので、どうぞお楽しみに〜♬

おまけ

地質学者はその土地の成り立ちを理解するために地質調査を行い、調査の内容は「地質図」にまとめられていきますが、その「地質図」今でも現地での地道なフィールドワークを繰り返し行うことで作られており、1ブロックで5年〜10年近く(場所によると思いますが)の時間をかけて完成させるそうです。
スケールが違うぜ…。

それではまた来週〜!👋

参考文献

今回の調査で私が読んだ本はこちらです📚

taknalの本棚にて、おススメ中です

二冊ともBLUE BACKSさんですね、、、

(鎌田さんの地学ノススメ、地学の基本的な考え方とかが丸っと収められているので、初学者にとっても非常に読みやすい一冊でした…!面白過ぎて関連書籍もポチりました…)

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