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伊能忠敬界隈への参入を諦めます。

 私は歩くことが好きだ。
 「健脚」を名乗ってもいいのかはわからないが、毎日のように散歩をし、健康の基準とされる1万歩/日を超えることは日常である。

過去7日間の平均歩数は約12000歩


 そんな私だが、ある界隈への参入を目指していた。それは「伊能忠敬界隈」だ。

 2024年7月に突如ネットに誕生し、世間を騒がせた伊能忠敬界隈。日本地図を作ったことでお馴染み伊能忠敬が、毎日およそ40キロもの距離を歩いていたことから、めちゃくちゃ歩く人たちのことを指す。

 精神疾患との関連も指摘されている伊能忠敬界隈だが、歩くことが好きな私もいつか一度は約40キロを歩いてみたいと考えていた。

繰り返される挑戦

その①

 伊能忠敬界隈への参入を目指し、まず私は毎日している約30分の散歩を伸ばすことにした。
 しかし、1時間(約5キロ)の歩行で、歩くという行為自体に飽きが生まれてくる。そう、私は飽きっぽいのだ。
 「もう飽きてるのに、これ以上歩いて何になるんだ……」「これ以上は無駄な時間なんじゃないか?」と私の中の効率主義くんがぼやく。

 そうして私はいつもの散歩の延長を諦めた。

その②

 次に私は、出先から自宅まで歩くことにした。出先から自宅までの距離は約30キロで、ほぼ伊能忠敬と言って良いだろう。それは残暑の残る9月のある昼に決行された。

 ところが、またしても私は壁にぶち当たった。普段電車で30分、車でも1時間弱でたどり着ける距離を6時間かけて歩かなければならないのである。
 再び響く効率主義くんの声。
 「それ、無駄じゃない?」

 「いやいや、でもこれをやった先に何があるかを見たいんだよ」
 私はそう自分に言い聞かせ、歩き始める……。

 無理だ‼️‼️‼️本当に無駄‼️全然面白くないし、電車乗った方が絶対いいって‼️‼️

 私は歩き始めて30分で電車の駅へと向かい、そこから電車に乗って帰宅した。
 こうして私の伊能忠敬界隈への参入は挫折に終わったのである。

大切なこと

 私は効率主義くんの声によって、伊能忠敬界隈への参入を諦める形になったが、ここから学んだこともある。

①歩くことは目的ではなく手段

 そもそも、伊能忠敬は地図を作るために歩いたのだ。そして伊能忠敬界隈の人々は、自らのストレスや不安への対処として歩いている。一方で私は「40キロ歩いてみる」ということが目的になっていた。それによって健康になるとか、街を知るとか色んな発展した目的が考えられるが、私にはそんなものはなかった。それがそもそものうまくいかない原因である。自転車や車、電車の発達した現代において、「長距離を歩くこと」そのものを目的にするのは、非常に困難なのであった。 

②過ぎたるは及ばざるが如し

 私は歩くことが好きだが、その欲は1日1万歩強の歩行で満たされているのだ。過ぎたるは及ばざるが如しとはまさにこのことで、それ以上の歩行が私に快を与えることはなく、苦行と化してしまうのである。

まとめ


 以上のことから、私は伊能忠敬界隈への参入を諦めることにした。
 私の一つの夢が潰えたわけだが、それも挑戦してわかったことだから、不思議とスッキリしている。
 みんなも、やってみたいと思ったことはやってみるのがいいだろう。もちろんそれで諦めたっていい。
じゃあ。

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