森で小さな軍隊に出会ったハナシ
今年のお盆休み、私は例年通り山口県にある祖母の家に遊びにいきました。
今回はその時に出会った、不思議な現象についてお話しします。
遭遇
祖母の家は、下関の山林の中、小さな集落にあります。
周りは森や山に囲まれていて、夜になるとまたたく星が見えるほど空気は澄み、古き良き昭和の香りの残る場所です。
そして祖母の家の近くにとある滝があるのですが、そこへ行く道中にあるものと遭遇したのです。
パタパタパタパタ……。
苔の張った木の根が広がる、小さな自然の広場で、その羽音は聞こえました。
最初はスズメバチか何かかと思い、とっさに身構えたのですが……。目の前をとんでもないものが通過していきました。
そう。UH-60JAに似た飛翔体。いわゆる軍用ヘリコプターでした。
……ラジコンサイズの。
こんな森の中でラジコンを飛ばすなんて、なかなか肝が据わっているなあと思い、操縦者を探してみました。しかし、そこには私以外の人間は誰もいなかったのです。
じゃあいったい操縦者はどこに……。
その時、ヘリの側面にあるスライド式のドアが開き、凧糸がパラリと垂れたではありませんか……!そして次の瞬間、中から5cmくらいでしょうか、コビト達が降りてきました。
降下したコビト達は苔の上に降り立つと、周りをキョロキョロしていました。そのコビト達はまるで何処かの防衛隊や軍隊のような格好をしていました。
これはとんでもないものを見てしまった……そう物陰から覗いていると、ヘリはホバリングを終えて森の奥に飛び去っていきました。
観察対象は小さな軍隊
この子たち、何を始めるんだろう……。
そう思った私は、ひとまず、彼らをつけてみることにしました。
岩場に降りたというのもあって、彼らは早速立ち往生していました。その時、コビトの一人が背負っていたリュックを開けて、中からあるものを取り出しました。
それは……「登山ロープ」
それを枝に括ると、一人づつラペリングで岩の下へ降りて行きます。
思わず息を呑んで見守る私。
森の中ということもあって、ひんやりとした空気の中、私はシャッターを切っていました。
登山演習、丘を越えて
岩場から降りた隊員たちは、苔むした木の根を迂回しながら、獣道のような地面をペタペタと踏んで丘を越えて行きました。途中、もう一つの舞台と合流したりと隊の人数を増やしながら、みんなで協力していました。
そして広場に到着した彼ら。私も木の影からそっと観察してみました。
するとそこには、驚きの光景が広がっていました。
こもれび、ときどき野営地
そこには50人規模でしょうか、大きな野営地がありました。
私のお気に入りスポットだったのですが、彼らも気に入ったのかもしれません。
去年訪れた時とは妙に雰囲気の変わった広場が広がっていました。
シャッターを切りながら広場に近づいたのですが、ちょっと不用心でした。
「敵襲!!!敵襲ーっ!!!」
甲高いおもちゃのようなサイレンが足元で聞こえたと思ったら、眉間に砂利のような塊が飛んできました。
なんだろうと思って、小人たちの方を向くと……。
バッチリ見つかっていました。やっちまった……!!!!!
すると、近くの監視塔から、ポンッという音と同時に、何かが光ったように見えました。そう思った次の瞬間。
痛っ!!!
右目にゴミのような何かが飛んできました。
涙を流しながら監視塔をよくみてみると、そこにはスナイパーライフルを構えた隊員が!
「やばい!怒らせた!!!」
こうなっては観察もできません。私はこの森から泣きながら逃げ出したのでした。
こういうのなんていうんだっけ?泣きっ面に蜂?(しらん)
報告。なんかいた!
以上、祖母の家の近くの森に遊びに行ったら、紆余曲折あって狙撃されたハナシでした。
皆さんも、森でラジコンサイズのUHー60JAに遭遇したときは、大人しく引き返しましょう。泣きっ面とのお約束だぞ!
以上、若草フクロウでした。
というわけで、今回は撮った写真にイラストを描き加えて、物語にしてみました!
こういうの、とっても面白いね!
好評なら、またやりますね!(好評じゃなくてもする。)
それじゃ、良い夏休みを!若草フクロウでした!
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