【あなたの短歌】アディスアベバのサンナイトさん
太陽の雫が肌をつたう日はいい一日と占う寝床
https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/smp/lifestyle/entry/2019/020204.html
アディスアベバという街はエチオピアの首都でアムハラ語で「新しい花」という意味だそうだ。サンナイトさんは18歳。ひとり息子のサンタイヨウくんを抱き同年代の日本人よりもずっと落ち着いているが、よくよく見ると目の奥や顔から歳相応の瑞々しい魅力がこぼれ落ちてくる。
田舎から街に出てきて出会った男と結婚したものの、夫は蒸発してしまい今はひとりでサンタイヨウくんを育てているという。中国語が印刷されたビニール製の作業袋のようなもので仕切った寝床に横になり、使い古された布を手繰り寄せて眠る。生活やサンタイヨウくんの病気の治療費のためにベットシーツまで売り払ってしまったそうだ。サンタイヨウくんはおっぱいをせがんだりぐずったりしながらサンナイトさんにしがみついている。
この子を抱いて目覚める朝はどんなだろうと想いを馳せた。息子の泣き声で目を覚ます。肌につたう涙、母乳をねだる姿。その力強い生命力を精いっぱい伝える姿を見て敬虔深いクリスチャンのサンナイトさんは思うのだろう。神様、この子を授けてくれてありがとうございます、と。
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