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大阪万博の「日本館」が環境技術で本気を出してる模様
いよいよ開幕が近づいて来た大阪・関西万博。
万博はもともと、世界の各国が自国の自慢をするためのイベントです。「うちの国はこんなにすごいんだぞ」と自慢をしつつ、自国の産業や特産品などを世界に売り込む場です。まさに、「万国博覧会」です。
今では万博そのものの存在意義が薄れつつある、なんて話も聞かれますが、それでもやはりこれだけの規模感で世界各国が一堂に会して自国のアピールをする機会はそれほど多くはないので、特に主要国は気合の入ったパビリオンを競い合います。
今回は、開催国である日本のパビリオンである「日本館」についてお話をしたいと思います。
大阪で万博が開催されるのは、今回で2回目です。1回目は1970年に開催され、その時の日本館のテーマは「日本と日本人」でした。当時はまだ戦後の高度成長期にあった日本だけに、大阪万博を機に全世界に日本を知ってもらおうということが大きな目的でした。
そして、今回の2025年大阪万博の日本館では、テーマが「循環」とされました。ここでいう循環とは、循環型社会のことです。日本はかねてから省エネや環境技術に強みを持っているので、それを世界にアピールしようというわけです。
人間が出したごみを微生物が分解して水に戻る様子を展示するだけでなく、藻類を使って廃棄物から新たな素材を生み出す技術などをアピールします。これらの技術はいずれも日本が強みとしている技術で、これを世界にアピールすることで日本の産業を育成しようとする狙いもあります。
もっと身近なところで環境問題を感じてもらうために、万博の会場内で出たごみを集めて水やメタンガスなどを生成する技術を紹介し、実際にそれを実用化するとのことです。
アメリカではトランプ新政権が誕生し、従来の環境問題に対して一石を投じるような発言が相次いでいます。私はかねてより、「環境にいいのだから言うことを聞け」というのは通用しないと考えています。そのために企業に負担を強いるのも、少々違うのかなと感じています。環境技術がビジネスとして成立して、その企業が環境事業をすればするほど業績が伸びていくような仕組みがあってこそ、環境問題は本格的に解決に向かって行くと考えています。
その意味では、2025年大阪万博で日本館が示そうとしている方向性は、決して間違っていないと思っています。日本のこうした技術がすでに実用化の域に達していることに刺激を受けて世界の企業が技術革新を進めたり、日本の技術を導入することで日本の産業振興につながれば、それこそ万博開催の意義があると思います。
もちろん、私も夢洲の万博会場に足を運んで、日本館も見てみるつもりです。