和上ホールディングス石橋大右

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最近の記事

「京都議定書」ってその後どうなった?トランプ次期政権の話も

温室効果ガスである二酸化炭素排出削減の国際的な枠組みとして「京都議定書」があったことを覚えている人は少なくなったのではないでしょうか。一時期は当たり前のようにニュースに登場していた言葉ですが、最近はすっかり聞くことがなくなりました。 京都議定書はどうなった?という疑問への答えとともに、2025年から始まるトランプ次期米国政権の話も絡めてお話をしたいと思います。 最初に、京都議定書について。京都議定書は1997年に開催された国連気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)で

    • 前代未聞づくしだった兵庫県知事選挙

      関西に拠点を構える者として、避けては通れない話題に触れたいと思います。そうです、このブログ記事の執筆段階では昨日に行われた兵庫県知事選挙の投開票結果についてです。 (画像引用:さいとう元彦公式Xアカウント) 結果は皆さんご存じのとおり、前知事であった斎藤元彦さんが再選を果たしました。「前知事が再選」とだけ書くと無風選挙のように感じますが、この選挙は前代未聞づくしで今後の選挙のあり方を変えるのではないかとすら言われる画期的な選挙でした。 対抗馬となったのは、実質的に各党相乗

      • インフレ時代に強さを発揮する太陽光発電投資

        インフレ(インフレーション)が進行すると、物価が高くなります。実はモノの価格が高くなっているのではなく、貨幣の相対的な価値が低くなることで物価が高くなっているように見えるのがインフレの正体です。日本はまだまだこれからがインフレの本番だと思いますが、アメリカやヨーロッパではすでにかなりのインフレが進行しています。アメリカやハワイに行くと「ラーメンが1杯5000円」なんて話を聞いたことはありませんか?これも強いインフレによる影響です。アメリカはインフレが鎮静化してきているので、す

        • 環境投資の新たな選択肢、系統用蓄電池とは?

          環境ビジネス、環境投資というと太陽光発電投資を連想する方は多いと思いますが、今回は新しい選択肢として注目を集める系統用蓄電池投資についてのお話をしたいと思います。 なお、和上ホールディングスでも系統用蓄電池を取り扱っています。おかげさまで反響は大きく、今後さらなる拡大と発展が期待できると思います。 最初に、系統用蓄電池とは?という疑問にお答えします。系統用蓄電池とは蓄電池の一種で、系統に接続されている蓄電池のことです。この系統とは送電網のことで、私たちが日常的に使用している

          ゼロカーボン?カーボンニュートラル?カーボンオフセット?意味の違いを解説

          私が代表を務める和上ホールディングスの公式サイトには、大きな文字で「ゼロカーボンを総合支援」とあります。 太陽光発電の有用性に早い時期から着目し、エネルギー問題だけでなく環境問題や災害対策などのメリットを世に広めたいとの思いでここまで突っ走ってきました。 それでは、このゼロカーボンって何でしょう?よく似た言葉にカーボンニュートラルやカーボンオフセットもありますが、これらの違いを説明できますでしょうか? 今回はこの似た言葉についてその違いや目指すところ、私の考えについて述べてい

          ゼロカーボン?カーボンニュートラル?カーボンオフセット?意味の違いを解説

          原子力発電の小型化が進行中、三菱電機のマイクロ炉成功なるか

          原子力発電所というと、日本では沿岸部にある巨大な発電所が鎮座している風景を想像するかと思います。事故を起こしてしまった福島第一原発もそうですし、それ以外の稼働している原発も然りです。 こういう施設ばかりを見ていると原発は大きいものというイメージを抱きがちですが、近年では原発が小型化する潮流が起きています。しかもそれが環境ビジネスとして存在感を増している現実があります。 原発はそもそも、小型化しやすい構造になっています。規模を大きくしたほうが効率が良いくなるので世界各地の原発

          原子力発電の小型化が進行中、三菱電機のマイクロ炉成功なるか

          再生可能エネルギーの「無駄」をなくす理想的なビジネスモデル

          今回は、かねてより私が課題だと感じていた再生可能エネルギーの「無駄」を解決できるビジネスモデルについてのお話です。 再生可能エネルギー、そのなかでも太陽光発電には2つの大きな弱点があります。1つは太陽光のある昼間しか発電ができないこと、そしてもう1つは発電量が増大するピークタイムが決まっていてその時間になると電力を使いきれず無駄にしてしまうことです。 1つ目については、夜間だけでなく天候が悪くて太陽が出ていない日も同様です。太陽光パネルは光を電力に変換する発電機器なので、こ

          再生可能エネルギーの「無駄」をなくす理想的なビジネスモデル

          つい最近まで「環境優等生」だったEVが環境破壊者になる近未来

          先日も少々否定的な意見を述べたEV(電気自動車)問題ですが、その続報といいますか、さらに深い部分で意見表明を続けたいと思います。 太陽光発電をはじめとする環境ビジネスの最前線にいる者として、EV待望論、EV救世主論のようなものには疑念を抱かざるを得ないので、今回も別の切り口から斬ってみたいと思います。 一時期と比べると、明らかに「イケイケモード」からトーンダウンしている感のあるEVブーム。そのことは世界最大手であるテスラの株価が暴落したことや、中国の過剰生産問題などを見ても

          つい最近まで「環境優等生」だったEVが環境破壊者になる近未来

          多発する太陽光発電所を狙った窃盗被害への対策は大丈夫ですか?

          近年、太陽光発電所を狙った窃盗被害が多発しています。主に送電のために設置されているケーブル、銅線を狙う手口が「定番」です。きわめて重要な鉱物資源である銅は高騰が続いており、盗んだものであっても銅は高く売れるという背景があります。しかも太陽光発電所に用いられているケーブルの銅線は規模が大きい発電所ほど高い送電能力が求められるため良質かつ大量の銅があるわけで、泥棒から見たら「宝の山」です。 自宅や会社の屋根や敷地内に設置している発電所であれば人の目があるので泥棒も入りにくいのです

          多発する太陽光発電所を狙った窃盗被害への対策は大丈夫ですか?

          温室効果ガス排出量の開示を求める国の制度で、いよいよ企業の「環境品質」が問われる

          省エネ法とは、その名のとおりエネルギーの消費を節約することを目的とした法律のことです。これだけだと正確ではないのでもう少し厳密に定義すると、石油や石炭といった化石燃料に依存しすぎている日本のエネルギー消費構造を変えて、もっとエコに、そして高効率にしていくための法律です。 正式な法律名は「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」といいますが、このフルネームはブログ執筆のために調べて初めて知りました(笑)。 この省エネ法は一定以上の規模で化石燃料を使

          温室効果ガス排出量の開示を求める国の制度で、いよいよ企業の「環境品質」が問われる

          太陽光パネルの大量廃棄を逆に環境負荷にしないための挑戦が始まっている

          再生可能エネルギーや太陽光発電ウォッチャーでもある私としては、このタイミングで論じるべきことだと思い、今回のテーマを選びました。 そのテーマは、まもなく始まるといわれている太陽光パネルの太陽廃棄問題と、それに向けてすでに始まっている挑戦についてです。 太陽光発電が再生可能エネルギーの大本命であり、これまで着実に発電量の規模を増やしてきたことは、喜ばしいことだと思います。太陽光発電の普及が始まった当初は、日本が世界をリードする太陽光パネル供給国で、国内でも補助金の効果もあって

          太陽光パネルの大量廃棄を逆に環境負荷にしないための挑戦が始まっている

          いつの間にかペットボトルが優良な資源となり、争奪戦が起きていた

          今や飲み物を入れる容器といえば缶や瓶よりもペットボトルが主体です。破損しにくいですし、仮に破損したとしても危なくないので広く利用されています。 しかしペットボトルは石油由来の資源を使って作られるので、ポイ捨てをするとやがて海洋汚染の原因になりますし、安易に焼却すると有害物質が出てしまいます。使い勝手のいい素材なのですが、使い終わった後の処理が課題でした。 そこでペットボトルはリサイクルするべきという考え方が出てきました。今や私たち日本人は「ペットボトルはリサイクルするもの」と

          いつの間にかペットボトルが優良な資源となり、争奪戦が起きていた

          夢のエネルギー自給が実現?ペロブスカイト太陽電池への期待

          日本は長らく、エネルギーを海外からの輸入に依存しています。このことがいかに脆弱であるかは、これまで何度も実感させられてきました。しかし、日本は資源がない国なのだから仕方ない・・・そんなコンセンサスが横たわっていますが、そんな常識が一変するかもしれないゲームチェンジャーを紹介したいと思います。 それが、ペロブスカイト太陽電池です。このペロブスカイト、名前に太陽電池と入っているように、太陽光を浴びて電力を生み出す太陽電池の一種です。私たちが知っている太陽電池といえば、和上ホールデ

          夢のエネルギー自給が実現?ペロブスカイト太陽電池への期待

          英国で研究が進む営農型太陽光発電の新たな可能性

          英国のランカスター大学と民間企業の調査で、太陽光発電所が貴重な生き物たちを育む住処になっているという研究結果が発表されました。 このレポートによると、調査対象になった英国内の多くの太陽光発電所内で数が減りつつある希少な生き物が繁殖や生活をしていること明らかになりました。主にそれらの生き物は昆虫で、そのほとんどが保護対象になっているものだそうです。 太陽光発電所内は太陽光パネルが設置されている関係上、昼間は日陰になる場所があります。植物の中には適度な日陰を好む種もあるため、こう

          英国で研究が進む営農型太陽光発電の新たな可能性

          インフラが寿命を迎えるニッポン、これこそ実は大チャンス

          今回は日本の社会インフラについて語ってみたいと思います。 最近、高速道路のリニューアル工事がやたら多いとは思いませんか?私の地元である大阪では、阪神高速道路の松原線が3年もかけて橋の架け替えをしています。これと同様に、通行止めを伴うような大規模な工事が目白押しです。この状況は大阪だけでなく、日本全国に起きていることです。 先日、あるニュースが目に飛び込んできました。そのニュースとは、青函トンネルがもうボロボロ状態になっていて、劣化が深刻になっているというものです。 青函トン

          インフラが寿命を迎えるニッポン、これこそ実は大チャンス

          「飛行機は環境を破壊している」が昔話になる!SAFの凄い実力

          今回お話をするのは、飛行機の燃料として利用が拡大しているSAFについてです。飛行機はあれだけの図体を空に飛ばすだけに大量の燃料を消費して、CO2排出も相当なものになります。それゆえに飛行機は環境デストロイヤーとのレッテルが貼られて久しく、実際の環境負荷よりもことさら悪いイメージが強調されているようにも感じます。しかし、今や世界は飛行機がなければ経済や社会を維持することはできません。きわめて重要なインフラだけに、環境といかに折り合っていくかが長年の課題でした。 そんな航空業界に

          「飛行機は環境を破壊している」が昔話になる!SAFの凄い実力