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あなたの身体の中には○リットルの水があります。【生理学】
私たちの体の大部分は水であり、体重の約60%が水で占められています。
この水の中には細胞や蛋白、ミネラルなどが存在しており、3つの主要な区画(コンパートメント)を循環しています。
3つのコンパートメントとは…
・細胞内スペース(IC)
・血管内スペース(IV)
・間質(IT)
これらのコンパートメントを分けるのは細胞膜と血管内皮細胞層の2つの隔壁です。この隔壁には大きな違いがあり、各体液コンパートメントに違いを生じさせています。【図1】
![](https://assets.st-note.com/img/1685626572531-0dNwUjRUes.png?width=1200)
細胞内(IC)は細胞膜によって周囲と隔てられる。
間質(IT)はこれらのコンパートメントを囲んでいる。
前述したように、体重の約60%は水であり、この水の約2/3は細胞内に存在します。残りの1/3のうち、約2/3は間質に、1/3は血管内に存在します。
例として体重が70㎏の人であれば…
総体液量は42㎏(42L)
総体液量のうちわけは…
細胞内の水28㎏(28L)
細胞外の水14㎏(14L)
さらに細胞外では…
間質内9.5㎏(9.5L)
血管内4.5㎏(4.5L)
これらはおおまかな計算であり、性別や筋肉量などでも数値に違いはでますが、体液がどの程度各コンパートメントに存在しているかを知ることができます。
私たちの生命は、総体液量とそれに含まれる溶質が臨機応変に各コンパートメント間を移動できるかにかかっています。
もし、血管の内の体液が過剰となれば血圧は上昇してしまうし、逆に不足すれば低血圧やショックとなり、重要臓器の低還流が生じる危険性があります。間質に体液が過剰に存在すれば浮腫が生じてしまいます。細胞内の体液量に関しては、例えば脳細胞内の体液が過剰となれば、硬い頭蓋骨で覆われた頭蓋内の細胞が腫脹するため、痙攣・昏睡・死亡といった重篤な神経学的異常が生じる危険性があります。
このように生命活動の維持には各コンパートメント間の体液の移動が適切に調整されることが重要です。