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ダイエットに筋トレと有酸素運動をやる順番は関係あるの?



 ジョギングや自転車エルゴメーターなどの有酸素運動と、スクワットや腕立て伏せのような筋力レーニングでは得られる効果が異なります。トレーニンの順番によっては運動の効果が無駄になってしまうことがあるので注意が必要です。したがって筋力を増やしたいのか、運動耐容能(持久力)を高めたいのか、体重を減らしたいのかによって最適な順番が変わってきます。






筋力をつけたい人


筋力をつけたいのであれば筋力トレーニングを先に実施します。筋力トレーニングの前に有酸素運動を行うと、有酸素運動中に増加した遊離脂肪酸によって筋力トレーニングにより高められるはずの成長ホルモンの分泌が抑制されます。また有酸素運動の疲労により筋に十分な負荷量をかけられないことも考えられます。このように筋力や筋肉量の改善に阻害する因子が多いため、筋肉量の改善目的でトレーニングを行う場合は有酸素運動の前に筋力トレーニングを行うことが推奨されます。




運動耐容能(持久力)を高めたい人


運動耐容能(持久力)を高めたいのであれば有酸素運動を先に実施します。この点に関しては明確な生理学的背景はありません。一般的に運動耐容能の改善には最大酸素摂取量の60~70%の強度で30分以上継続した運動が推奨されています。筋力トレーニングによる疲労感が有酸素運動の運動強度を低下させる可能性があるため、運動耐容能を高めたいのであれば有酸素運動を先に行うことを推奨します。




ダイエットしたい人


ダイエットの場合は筋力トレーニングを先に実施します。筋力トレーニングによって分泌されたアドレナリンや成長ホルモンにより血液中の遊離脂肪酸が高まります。この状態で有酸素運動を実施すると、骨格筋での脂質分解や利用能が高まります。つまり、効率的に脂肪を燃焼させることができるのです。実際の研究でも有酸素運動の前に筋力とレーニンを行うと脂質の代謝が20%ほど上昇することが確認されているようです。







まとめ


 有酸素運動を筋力トレーニングを運動療法の中核となり、両方必要です。しかし運動の目的によって実施する順番を考慮することは重要です。ダイエットを目的にするのであれば筋力トレーニングをしてから有酸素運動をすることが推奨されます。



参考文献
心臓リハビリテーションQ&A 医歯薬出版株式会社
運動処方の指南-運動負荷試験と運動プログラム 南江堂 

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