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映画『ピアニストを待ちながら』映画評論家・荻野洋一さん、ユニット[関田育子]代表・関田育子さんよりコメント到着。

映画『#ピアニストを待ちながら 』映画評論家・荻野洋一さん、ユニット[関田育子]代表・関田育子さんより よりコメントが到着しましたので、全文公開いたします。

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死の舞踏のフィニッシュが永遠に先送りされる。七里は現代映画をバロック化させた。ノイズと風景の反復によって、かつてはここに誰かがいたはずなのにとブツブツ唱えながら「誰(た)が袖」を素描し続ける。「誰が袖」とはエンプティショットであり、七里映画にあっては、誰かが写っているショットも、本質的にはエンプティショットなのだ。エンプティショットがリフレインされ、延滞され、フットマークが貼り直される。

荻野洋一(映画評論家 / 番組等構成演出)コメント

バロックとは・・・16世紀末から18世紀にかけてヨーロッパで流行した芸術様式や、その様式に由来する音楽や文学の様式を指します。

  • 均整と調和のとれたルネサンス様式とは異なり、自由な感動表現や動的で量感あふれる装飾形式が特徴

  • 曲線や楕円が多く用いられる

  • 豪華絢爛さと情熱的な表現が特徴

  • 色彩豊かな絵画や彫刻が、信仰心を高めるために神聖な祭壇や聖堂の内部に飾られた

バロック様式の建築の代表例としては、バチカン市国のサンピエトロ大聖堂やフランスのベルサイユ宮殿などがあります。

エンプティショットとは・・・映画や映像において、ノンドラマチック・ショットとも呼ばれるショット、画⾯に中⼼的な⼈物 が映し出されていないショット、しばしば物語には関係のないものが映し出されるショット。


「ピアニストを待ちながら」は、現今の社会を意識した実験的な作品であると同時に、遥か昔から問い続けられてきた存在」の問題に、ある視座をもって応答する作品だと感じた。しかし、観客の目に映るのはユーモアに溢れたシーンの数々であるために、肩の力を抜いて鑑賞するのが得策です。笑ける余白のある時間を過ごしたい方におすすめです!

関田育子(ユニット[関田育子]代表 / 脚本家 / 演出家)

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遥か昔から問い続けられてきた存在"の問題とは

本作のタイトル「〜を待ちながら」は、サミュエル・ベケットによる演劇戯曲『ゴドーを待ちながら』からとられています。

『ゴドーを待ちながら』は、2 人のホームレスが、ゴドーが来たら救われると思って待っているのだけれど、ゴドーは来ないーーという物語。

1950年代に書かれ、現在でも世界中で演劇公演が行われています。

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