OPPA一枚ポートフォリオ評価(子どもの学びが見えてくる)
今回はOPPA(一枚ポートフォリオ評価)についてまとめてみました。
1.OPPAとは
2.OPPAの構成
表紙・背表紙
単元名
単元を通した問い(学習前・学習後)
学習が終わって学習前と学習後を見比べて考えたこと を書き込む欄
ガリレオガリレイなどの偉人を載せる(これは必要な場合のみ)
内側
毎回の授業のふりかえりを記入する欄を作ります。
「授業で大切だと思うこと」「感想」のふりかえりをかきます。
3.OPPAによる授業の進め方
[単元学習前]
OPPAシートを配布して「本質的な問い(学習前)」を記入して診断的評価を行います。事前に子どもが何を知っているのかによって授業が変わってきます。
・自分が今知っていることや予想で構わない。
・テストではない。
ことを伝えてあげてください。
子どもたちが書いたことを元に教師は授業を組み立てていきます。
子どもたちは今の時点で自分が単元に対してどのくらいの知識があるか知ることができます。
[単元学習中]
毎回の授業の終わりに「授業で大切だと思ったこと」「感想」を記入します。
その記入したことをもとに形成的評価を行います。
指導中に子どもがどのようなことを学んだのか理解できなかったことなどが見えてきます。
[単元学習後]
単元の学習が終わってから「本質的な問い(学習後)」を記入して総括的評価を行います。
その後、学習前と学習後の記入を見比べて 単元を通して自分がどう変わったのかをふりかえります。
さらに偉人の吹き出しに「学習する前の自分へのメッセージ」を単元の下の欄には「オリジナルの単元名」を書き込みます。
それぞれ学んだことを凝縮した表現が見られます。
4.主体的に学ぶ態度と粘り強い姿勢を見とることができる
OPPAを使うことで子どもたちは学習前・学習中・学習後の学びの履歴を見ながら学習を進めることで子どもたちの主体的に学ぶ姿と粘り強く学ぶ姿勢を見とることができます。
国立教育政策研究所の資料にもあるように「主体的に学習に取り組む態度」を見とるためにOPPAは効果があります。
5.授業改善につながる
毎回すべての子どものOPPAに目を通します。
それを見ていると「次はこうしていきたい。」「ここがわからなかった。」ということを書く児童が出てきます。
それをみて授業の流れを微調整します。
また、子どもたちと同じOPPAに授業者も毎回の授業での気づきやよかったことを書き溜めていって単元が終わった後にふりかえりを行います。
6.コメント記入術
すべてのOPPAに目を通します。
授業で確認したことを書いている子。
前の学習と繋げて書いている子。
日常生活と絡めて書いている子。
自分の変化に目を向けている子。
次こうしたいと意欲がある子。
などがいます。いいところに線を引いたりした後、メタ認知がしっかりできている児童や粘り強さがあるコメントを次回の授業で子どもたちの前で読んであげると子どもたちのふりかえりのクオリティも上がってきます。
目を通すのも慣れてくるとあまり時間がかからないようになってきます。
7.実践の紹介
OPPAを使った実践例5年生「ものの溶け方」を紹介します。
単元前
「溶けるとはなにか」(診断的評価)を聞きました。
そこから見えてきたものは
塩がとけるときの「とける」と
氷がとけるときの「とける」が混在していました。
このような子どもたちの素朴概念を最初に知ることができました。
単元学習中
単元を通しての課題として2種類の液体(1つは塩がたくさん溶けているものもう1つは少し溶けているもの)を用意しました。
舐めずに分類するという課題を児童たちに示しました。
子どもたちは単元を通してその課題に向き合っていきました。
途中子どもたちが次はこうしたい。という意見をOPPAから拾いながら学びを進めていきました。
単元後
学習前には「塩がとける」のようなことを書いていましたが、
学習後は、「温め直すと溶ける量が増える。」「蒸発させると溶けているものが出てくる。」と単元の学びから「とける」についての理解が深まった様子が見られました。
最後に学習前と学習後を見比べた感想には学びを通して自分が考えがアップデートされたことをかいている児童や粘り強く学習に取り組んだことへの達成感がかかれていました。
8.まとめ
OPPAについてまとめてみました。
私もまだまだ実践を始めたばかりですが、子どもたちの学びの履歴を見ることがとてもうれしく、楽しい実践ができるのでみなさんも是非取り組んでみてください。