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50問テストの平均点90点越えの漢字指導、学習法

とある町で小学校教諭をしています。わいぬです。
今回は学期末や年度末に行われる漢字50問テストの平均点が90点越えの漢字指導についてご紹介します。

その秘密は「漢字自由進度」と「けテぶれ」です。

はじめに

 漢字50問テストの前に先生方はどのような指導を行いますか。
 ・テストの問題を子どもたちに伝える。
 ・練習プリントを作成して何度もやらせる。
 ・合格点になるまで何度も再テストをやらせる。
 私もかつてはそのような指導を行っていました。
 しかし、それでは子どもたちが一時的に漢字を覚えて忘れていく。
 効率よく覚えるための訓練ではないかと考えました。
 そこで出会ったのが「漢字自由進度学習」と「けテぶれ」の組み合わせです。
 この方法を取り入れることで漢字50問テストの平均点がグッと上がりました。
 今回はその方法についてまとめていきます。

漢字自由進度学習

 漢字ドリルと子どもたちと一緒のペースで進める。
 宿題で子どもたちにやってくるように指示を出す。
 
 一定のペースで漢字を進めていくという方法をやめました。
 注目したのは自由進度学習です。
 自由進度とは、中教審2021年1月答申「令和の日本型教育の構築を目指して」の中にある「個別最適な学び」「協働的な学び」を実現するための先行例としてあげられている学習方法です。
 子どもたちが一人ひとりのペースに合わせて学習を進めることができます。
 自由進度について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

 自由進度学習と漢字ドリルは非常に相性がいいのです。
 ・子どもたちが自分のペースで漢字を進めることができる。
 ・早く終わった児童は待つのではなくより高い学びに向かうことができる。
 ・ペースが遅い児童には教師が声をかけ支援をすることもできる。
 ・自由進度学習だが、子どもたち同士で学ぶ工夫を仕掛けることができる。

 子どもたちは漢字のドリルをボロボロになるまで使います。
 本学級でもページをテープを貼るまで学ぶ子も現れました。

 土居正博先生の「漢字指導の新常識」を参考に指導をしています。

⓪漢字音読
①音読3回
②書き順の声を出しながら指なぞり3回
③書き順の声を出しながら一画目に戻りながら漢字を指なぞり3回
④書き順の声を出しながら空書き3回
⑤1mmもはみ出さずに鉛筆でなぞる
⑥丁寧に鉛筆で全てのマスを埋める
⑦一ページできたら教師に見せ、点検を受ける。

土居正博 著 「漢字指導の新常識」より

朝学習や国語の最初の時間の帯活動として漢字の学習を取り入れています。
 
授業開始と同時に漢字音読を始めます。タイムを記入したらそれぞれが漢字の学習を始めます。
①〜⑧を繰り返していきます。

また、教師の点検の際には進出漢字の抜き打ちチェックを行います。
そのチェック突破のために子どもたちには漢字のセルフチェック方法を教えます。
チェックの方法は簡単です。
手や下敷きで漢字を隠して読み方予想をして空書きをするというものです。
「詰まったりしたら覚えていないということだよ。」と子どもたちに伝えるようにしています。

友だちと学ぶ漢字バトル

 漢字がある程度進んできたら友だちとも学ぶ仕掛けを行います。
 「個別最適な学び」と「協働的な学び」とあるように
 個人⇆集団 の中で子どもたちは学びを深めていきます。

 方法は至ってシンプルです。

 ①漢字ドリルを持って移動する。
 ②友だちに声をかける。
 ③互いのドリルの進みを確認する。
 ④ジャンケンをする
 ⑤勝った児童は負けた児童に漢字を1問出す。
 ⑥書けたら◯ 書けなかったら×
 ⑦攻守交代
 ⑧2回ずつ終わって○と×の数で勝敗を決める。
  引き分けの時もある。

 隙間時間に行うようにしています。
 子どもたちは盛り上がって漢字の学びに向かっていきます。

上限を取り払う

 学習ができる子どもたちは漢字のテストで100点を続けて取ることができます。しかし、天井が決まっていることで子どもたちも成長しきれないこともあります。
 有名な話で「飛べなくなったノミ」という話があります。
 ノミは体長の150倍ほどの跳躍力があります。
 しかし、ノミをコップに入れて蓋をします。
 しばらくするとそのノミはコップの高さしか飛べなくなってしまうのです。

 子どもたちとノミを比べるものではないかもしれないですが、上限が決まっていることでそれ以上を目指す気持ちが薄くなってしまいます。

 本学級では小テストと50問テストを活用しています。
 小テストでは問題の下にやり直し用の□が書かれていることが多いです。
 その資格に漢字テストで出る漢字の熟語を書くとプラス10点としています。
 かける熟語は2つまでにしています。

 例 進出漢字「政」
   テスト「政」治  その下に 政府 地政
 つまり3×100=300点を取ることができるようになります。

 さらに50問テストではその数の上限もなくします。
 50問テストは赤で丸付け
 追加の熟語は青色で丸付けを行います。
 300点、400点を超えてくる児童も現れてきます。
 
 成績【知識・技能】は基本的には普段通り100点満点で成績をつけることを子どもたちにも伝えます。平均点もこの赤の点数が基準です。

けテぶれで学び方を学んでいく

けテぶれ学習法は葛原祥太先生が提唱された学習方法です。
けテぶれの詳しいことは葛原先生のnoteをご覧ください。

 計画・テスト・分析・練習のサイクルを漢字の学習でも行います。
 あらかじめ小テストや50問テストの日程を子どもたちに学期はじめに伝えます。
 そこに向かって計画を立てるように指導をします。
 小テストで80点が取りたい子
 小テストで100点が取りたい子
 50問テストで80点を取りたい子
 50問テストで200点を取りたい子
 色々な子どもたちがいます。その目標に向かってけテぶれを始めていくわけです。
 
 特にけテぶれの導入と漢字自由進度の相性はとてもいいのです。
 子どもたちのけテぶれノートを見せながら学び方を共有しつつ、学級の仲間と高め合っていきます。

最後に

 この方法で学んでいくと漢字50問テストで学級の平均点が90点を超えていきました。
 「漢字自由進度」×「けテぶれ」で学びが加速します。

 しかし、これだけではいけません。

 「漢字自由進度」×「けテぶれ」×「学級経営」です。

 子どもが漢字の学習に向き合う姿勢や友達と学び合う姿勢、試行錯誤しながら学習者として成長していく姿を応援する姿勢が必要不可欠です。 
 私は子どもたちが漢字学習に向かう姿や漢字バトルをする様子を写真に撮って学級通信で発信しています。

参考文献
土居正博 先生
イラストでよくわかる!漢字指導の新常識
葛原 祥太 先生
「けテぶれ」宿題革命!


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