手振れば濡れる車窓が曇りゆく

そぼふる雨を見上げて

雨が好きだなんて嘘っぽいことを言っても
すべてがお見通しだったのだ

好きな人は
私に
諦めさせて
遠くへ行く決意をしていたのだ

その決意に涙がなかったとは言い切れない

だが
決意を受けたこちらは泣いた

雨は
雪になる季節のこともあれば

嵐のこともあるけど
手を振って
背中を向けて

列車の中に消えた人には
スポットライトも当たらず

シナリオはエンドマークで閉じられたのだった