春よ来い、春は恋。 2月中旬篇@2013
@2013 二月
春よ来い、春は恋。 2月中旬篇
2月の声をきいても
一向に寒さは和らぐことはなかった。
冷え切った家のなかで仄かにあたたかい日差しを求めて休日を過ごす。
もう、外に出て何かをしようという気はさらさらない。
2月13日(水)
ちぎれた白い雲が、飛ぶように南の空へと流れてゆきます。
部屋のなかからそんな冬景色を見ている。
▼雨降りの予報なのキミ誘い出したい
▼木枯らしや髪も乱れぬ十余年
2月14日(木)
▼潔く閉じた一冊の裏表紙
少しずつこれまでん書いてきたものを纏めているのですが
行き詰まりを感じることもあります。
その程度の人生であったのかとも、ふっと思う。
2月15日(金)
▼雨だれを睨んでみても待ちぼうけ
▼春の雨もはや時雨とは呼びがたし
2月16日(土)
おはようさん。
いつも通りの5時半に起きて新聞読んでまた布団。
朝日が赤くなってきた
早春の朝を感じる。
▼お布団に呼んでください寒い夜
▼くちなわや、オマエは冬眠なさらんの?
▼そうあれは春の坂道のものがたり
▼片思い意中の人は水しぶき
▼寒月や君居ぬ夜の水たまり
雨の降る日が不定期にやってくる。
手が凍えるほどでもないのだが
今の季節の雨は、決してやさしくなく
嵐のように風もともなう。
これも季節の儀式だと思う。
春よ来い、春は恋。
2月17日(日)
▼お別れの指切り濡らす春の雨
▼初恋が消えたその日も春の雨
春の雨のことを思い出したのだろう。
誰も知らないし覚えてもいないだろう昔のこと。
私は本当に卒業したのだろうかと
幻を探るような気持ちに陥ることがある。
卒業証明書や成績証明書を取り寄せたこともあったなあ。
もちろんあれは、教職の科目履修のためだったのだが
その結果を安心した気持ちで見直したくらい、マボロシになってきている。
鎌倉での土砂降り。
赤い傘。
濡れた車窓。
2月18日(月)
▼卒業に苦心しつつ雨水の暦繰る
懐かしきあのころ。
冷たい雨に泣かされたなあ
▼こんばんは寒いねだけのメールがたまる
2月19日(火)
寒いなあ。ふところ
三年生のいない列車。
冷たい雨。
隙間風。
実にめずらしく
雨に何か舞うものか混じり始めた。
そんな朝であった。