3月20日(火) 2018
椿は、資生堂が創始から
モチーフにしている花です。
というのが、椿を説明するのに
手っ取り早い。
晩秋、冬、冬の終わり、春の初め
、、とにかく、、
寒さの大小、深い浅いと、
幅はあっても、長きにわたって
さびれ、沈み、地味すぎるお煮しめな風景に
ぽつりぽつりと赤みを染め抜く花が、椿。
だと思います。
真夏と真冬、花が尽きる季節です。
茶花といえば、
夏は槿(むくげ)、冬は椿(つばき)
ばかりになりがち。
季語ではいうなら、槿は秋、椿は春。
ややこしいですね。
椿は、日本人の心の何を捉えるのか
さまざまな種類の椿が
昔から、生み出されています。
梅や菊、薔薇や蘭など、種類が
どんどん増えるのと同じ。
わたしは、、侘助が好きです。
歌舞伎は見たことがありませんが
およよよよ、と泣き崩れる女形の
イメージを抱いています。
抜けるような白さと、はかない輪郭が
昔から、多くの茶人の心を捉えている
と聞きます。
はかないけれど女々しくない。
女々しいけれど、やわじゃない。
山茶花も、椿に似てますが、、
どうなんでしょうか。
調べてるときりがないので、
今日は椿オンリー。
椿オイル、は、古来から
日本に根づいている美容油。
ヨーロッパのオリーブオイルの
存在に似ています。
飲んで、つけて、日頃から愛されて。
ちなみに、オーリブが、
日本に初めて育ったのは四国
香川県の小豆島。
事あるごとに、瀬戸内海は、日本の
地中海と豪語しますが、、
つくづく、本当に、そう思います。
祖母の時代は、海外の舶来品から
ハイカラな国産品として、ちょっとした
オサレ心も手伝って
オリーブオイルを愛用していたみたい。
江戸時代には、椿油は生活に浸透してた
と、、うろ覚え。
小笠原諸島の銘品なのも、昔から。
さらに昔からある、お水取り。
福井県の鯖江から、お水送りがあって
はじめて、奈良の東大寺での
お水取りが成り立ちます。
お水取り=二月堂修二会
http://www.shirahagikai.jp/kyoto_044
(3月1日〜14日、もう終わりましたね)
お水取りは有名ですが、
糊こぼしという名前の椿を
知るのは、奈良の人たちと
仏道に親しむ人たちの間くらいでしか
あまり話題にならないような。
赤みの強い椿に、白い糊がこぼれたような
(そのまんまですっ)
白い斑(ふ)がさした派手な椿です。
赤と白のアンバランスなマーブル感が
印象的。
お水取りの頃になると
東大寺の練行衆が、糊こぼしの
造花をこしらえるのも、また儀式だそうです。
奈良の老舗の和菓子店がこぞって
糊こぼしを模した和菓子を出すようで、、
まだ、体験したことがないので
憧れます、、、、奈良は、、個人的に
京都より、好きかも。
ちょうど、画像の椿は
都内、新橋近くの曹洞宗のお寺さんの
境内を彩っていました。
お寺と椿、よく似合う!
お水取り、いつか行ってみたいです。
そして、、、正倉院展も今生のうちに
一度は、、いつか訪れて見たいです。
11月になると、毎年!
ああ、今年も正倉院展に行けない。。
毎年毎年、そう思います。
きらびやかな文化より、
天平のおおらかな文化に惹かれます。
椿は、春の季語。
椿は、資生堂のモチーフ。
初代社長福原信三氏が
みずから原案を起こしたそうです。
写真家でもあり、大正に日本を席巻した
アールヌーボーの影響がある、らしい。
銀座の資生堂パーラー。
資生堂パーラーは、ドキドキしながら
一度だけ入った記憶があるけれど、
気後れしてしまい、たぶん行ったことはある
くらいしか言えるものがない。
今も、たぶん、そわそわしてしまうだろうな。
銀座ウエスト。
クッキーと言わずに、ドライケーキと
言ってのける、かっこよさ。
東北の震災への応援を続けていることは
昨年、知りました。
わたしが銀座に行くと、でき得る限り
立ち寄ってしまうのが、、木村屋です。
二十歳の田舎娘のアシスタント時代を
美化できる、おいしい小道具。
餡パンという、摩訶不思議食べ物を
発明してしまう大和心、すごいと思います。
椿から、話は、銀座へ。
和に親しんで運を開く。