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着る物、だよん。

着物のことです。
アウトプットの管が詰まってました。

一度、アウトプットしたことを
何度も出すのはどうか、とか
知らない人もいるかもしれないけど
すごく知っている人もいるはずなのに、とか。

さらに、あれこれ、とやかくいう人に
出会いたくなくて、とビビり体制。
ビビり続けるのも飽きたので、
アウトプットしてまいりまする。

今年のお正月、十余年ぶりに
着物を引っ張り出して袖を通して
やっぱ、着物いいわあ、、と小さく叫び
シワだらけやシミだらけの状態をチェックしながら
わたしの今のお肌といっしょだなと
なでなで。
五月じゅう着倒したら
あとは、丸洗いか洗い張りに出さないと
着物が傷んでしまいます。

お金がかかった歯のメンテナンスを
怠ったために、今、えらいことになってます。
着物には、同じ轍を踏ませたりしません!
なので、、お金と時間がかかりるでござるよ。

つまり、着物は、自分の体同様だと
思ってまちがいない!

それほどに、着物は、時間と手間とお金と愛情を
欲する存在だと思って
ある意味、潔くあきらめて
長く付き合っていきましょう。

五月晦日までは、袷(あわせ)です。
二枚を合わせて仕立てたもの。
六月朔日から、単(ひとえ)になります。
一枚仕立て。
七月、八月の盛夏は、羅(うすもの)。
一枚仕立ての布の、
素材や糸の細さ、織り方が
より暑さ避けに向くよう変わります。
紗 (しゃ)と絽(ろ)が多くなり
あとは上布(じょうふ)という
麻や芭蕉で織った布も、夏の時期ならでは。

単は、基本的に六月と九月しか着ません。
初夏と晩夏。

盛夏は、羅です。
うすもの、と言えば思い出す句があります。

羅(うすもの)や人悲します恋をして
鈴木真砂女

道ならぬ恋を貫き、銀座の小料理屋さんの
女将さんになって俳句を詠んだ方の
重荷を背負う覚悟と諦めと潔さと、それでも
選んだ道の清々しさ。

夏になると、どうしても
帯付きが増えますが、もう、それは
それで勘弁してください、って感じ。
長らく、帯が見えるのを
嫌がる風習みたいのがあり
それは、たぶんに、屋外の穢れを家の中に
持ち込む、持ち込まれるのが嫌、という
昔から潔癖症民族の傾向があるのかも。

道行とか、塵除けとか、
そう呼ばれるコートを着るとか
簡単にショールを羽織るとか、
文字通り、羽織を羽織るとか。
そうして帯を隠しました。

夏、暑くなってコート着るのは
ちと汗ばむし、夏用のコートを持ってる人も
そう多くはないと思います。
わたしは一枚、
紗袷(しゃあわせ)を持ってますが
それを盛夏も使ってます。

着物を一枚、手に入れるところから
始める場合、たいてい、袷から揃えます。
着る期間が長いからです。
六月、九月は単。
七月、八月は羅。
着物を持つだけでも、単を持つのも
たいへんなので、帯付きだからと、つべこべ
イチャモン付けられても、
キリリと笑ってやり過ごしましょう。

今までは実家近く
(といっても車で45分くらい)の
呉服屋さんが頼りでしたが
母も亡くなり、着物のためだけの帰省も厳しく、
住まう近所で、手入れだけなら
安く済ませたい、と切望。

日々、ちゃりんこ🚲でちゃりちゃり通る
商店街には、2軒も呉服店が!
とりたてて理由はなく、1軒のお店に入って
丸洗いはいくら?
(いわゆるクリーニングに近い、揮発性溶剤で洗う)
洗い張りはいくら?
(着物を解いて、布状に戻してから水通し洗い。
 文字通り、板に張り付けて乾かすので洗い張り)
うぐぐぐぐぐ。
高い。。
着物の手入れだけで、
安い洋服が何枚も買えるぢゃないよお。。

母亡き今は、、お金はもちろん
知識も中途半端なままじゃ
着物を管理できない、と思い知らせました。

袷の着物を洗いやシミ抜きに出すのは
5月末以降だから、まだまだ時間はあるから
心づもりをしなくちゃ、なのでした。
が。
実物持参で二度目まして、の今年二月。
新春セールの数日前だってんで、、こっそり
品揃えを見せてくれてしまったのでした。
ああああああ。
見なきゃよかった、いえ、見てよかったのか。

紬が、あり得ない値段で出てました。
ぶっちゃけますと、1万円代。
選り好みをしなけれ、1万円未満も。
大人買いしたい!
いえ、わたし、大人です。

あまり見かけない、ちょっとモダンな
色柄の紬、、あれこれ眺めたり当てたり
触ったり、こっそり揉んだり。
質はわるくないどころか、いい!
とりあえず、反物だけ買っておけば
いずれ、いずれ、いずれ、いずれ仕立てますわ。
と。

いいものを安く買う、
という貧乏くさいスタイルは
できれば、着物業界のためにも
やめておきたいのですが、かといって
買わないと着れない。
ファストファッションの興隆で
現代版、女工哀史があることも知ってます。
だから、一時期は
安い洋服は買わない、と決めました。
が、決めても、実行はできませんでした。
着物も同じでござるのよ。
わたしに買えるギリギリライン。
少しばかり目が肥えてしまい、
いいものじゃないとイヤ、という
わがままゴネゴネ。

一年に一回あるかないかの
ラッキーなお買い時だったのです。

紬を一反と、
以前からほしかった縮緬の無地をー!
をー。買ってしまったのが、
春まだ浅い頃。

春が深まり、だんだん水温む頃。

呉服屋さんも、商売上手です。
届いたDMには、
草履の鼻緒を「タダ」で直す、と
あるじゃありませんか。
頃合いを見計らったようなDM。
色は気に入ってるのに、
鼻緒がすれて、痛くて
途中でだらしなくつっかけて歩く
という草履の難に遭ったばかり。

ひょいひょいと「タダ」で
直してもらいにうかがいました。

ら。

そしたら。

創業祭でした。

例の反物を仕立てるのも
ちょうどいいかも〜♫
なんて、ね。
六月に着る予定があるから
ちょうどいいわ〜🎶
いい気なもんです、わたし。

実家に取りに帰ることを考えたら
長襦袢もセール期間に
手に入れて仕立てれば、、、、、あ、
素材にどうしても妥協できず、、
大幅予算オーバー。
分割にしてくれるってんで、
苦渋の表情を浮かべながらも
足取りはなぜか軽やか。

あの、あれが、あの値段なら、、いいわ。
ってなもんですわ。

草履の鼻緒を直す職人さんが
目の前で調整してくれました。
で。
見事に履き心地が、よくなりまして。

どうにかすればいいんでしょ、と。
(どうすんだよお)
それも、あれこれ何度も算段し直して
なんとかしちゃろー、と相成りました。

仕立てには、寸法が重要。
母が書いてくれてた、
チラシの裏みたいなのがいくら探しても
出てこないので
手持ちの着物を測ってもらって
それと同じの仕立て上りになるように
お願いしました。
(やっと払える、仕立てスタート)

茶席で多用する着物なら、
身幅をたくさん取って仕立てるのが
わりとスタンダード。
立つ、座る、歩く、にじる、といった所作に
着物の裾がはだけないよう
幅を多めに取って仕立てるのです。

初めて、自分でオーダーする
オートクチュールだと思ってください。
そりゃ、ドキドキします。
大枚はたくので、失敗したくない。
失敗しないためには、知識が必要。

呉服屋さんというプロから学ぶため
手を替え品を替えて質問攻め。
納得するまで聴き倒すので、
向こうも迷惑なことです、お気の毒です。
でも、ありがとうございました。
ほんと、いろいろ学べました。

そして。

着付け教室ではなく、自分で着物を着るときの
着方なので「着方教室」がタダで!ある、
というじゃありませんか。
商売上手な、そしてお客得の教室。

大手着付け教室と、個人の呉服屋さんと
愛媛の実家に戻った時は松山まで、、
習いにいってたのに最後まで
習い終わらないうちにやめてしまったわたし。
今一度、今度こそ!
腹落ちした着方を身につけたい!
鼻息荒く、参加表明いたしました。

それに至る、プロローグが
じつは、雪の降ったお彼岸のお中日に
ありましたので。
やりたい、と思うと、
勝手に自動的にいろいろと
すでに動き始めてしまっておりましたとさ。

なんか、もう、財布事情はたいへんだけど
やってることが、面白すぎて。。。。
ニタニタが止まりません。

そして「タダ」ほど高いものはない
とも言います。

が、どの選択も、納得のいく
ラッキーにまみれた現実なのです。
てへへへへ。

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