人には優位な感覚がある #140 VAKモデル
人は、社会やコミュニティ、または個人の特定ニーズを満たす上で、一人で成し遂げることができることには限界があるために、何らかの組織を形成します。
そして、それぞれの組織は、それぞれ特有の目的を果たすために、社会の中で様々な活動を繰り広げます。
組織には、それぞれに目的があります。
その組織に属する以上は、その目的を果たすことに何らかの貢献をする必要があります。
そうなると他の誰かと、必ず、コミュニケーションを取る必要が出て来ます。
ところが、このコミュニケーションを良好な状態に保つことは容易ではありません。
結果的に、省略、歪曲、一般化などのミスコミュニケーションを招いてしまうことも多々あります。
そもそも、コミュニケーションとは、社会学的には、社会組織の中で、それを形成する人間の間で行われる知覚、感情、思考の伝達と言えます。
また、心理学的には、自分自身との対話もコミュニケーションとも言えるようです。
つまり、優れたコミュニケーションとは、人間から人間に知覚、感情、思考などの情報が正確に伝わることと解釈されます。
人が情報を得る五感を代表的な3つに分類したVAKモデルと言うものがあります。
五感とは、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚となりますが、VAKモデルでは、V(Visual:視覚)、A(Auditory:聴覚)、そして、触覚、味覚、嗅覚を包括したK(Kinestic:触覚・身体感覚)の3つに分類します。
これらには、人によって優位性、あるいは苦手があって、どの感覚を強く感じるかは、人によって違ってきます。
勿論、偏ることなく、バランスの良い人もいます。
また、生まれつきのものではなく、環境によって、優位性が変化するとも言われています。
組織では、優れた意見が必ず認められるとは限りません。
組織の中で自分の意見を認めてもらうには、良好なコミュニケーションが必要であり、それには、如何にして情報を伝え、主旨を理解してもらうかが重要となってきます。
その場合、自分自身や伝える相手の優位な感覚を知って、適切な伝え方をすることも重要となってきます。
絶対ではありませんが、その人の優位な感覚を知るための傾向があります。
V(Visual:視覚)
発想力が豊かです。
反面、行動に移すのが苦手の場合があります。
「見える」、「見通しがいい」、「明るい・暗い」、「はっきりしている」など、視覚に関係している表現を使う傾向が見られれます。
A(Auditory:聴覚)
物事を論理的に分析して発展、構築させるのが得意です。
反面、ゼロから発想するのが苦手の場合があります。
「聞こえる」、「考える」、「思う」、「リズムが合う」、「耳ざわりがいい」など、聴覚に関係している表現を使う傾向が見られれます。
K(Kinestic:触覚・身体感覚)
活発な行動力があります。
しかし、論理的に計画を立案したり分析するのが苦手である場合があります。
「感じる」、「触れる」、「おいしい話だ」、「気になる」、「何か臭う」など、体感覚に関係している表現を使う傾向が見られれます。
例えば、少々、年代が古くて申し訳ないですが、1960年代に大活躍したプロ野球の3選手で比較してみます。
まず、集中力と気迫あふれる一本足打法で、世界のホームラン王と呼ばれた「王 貞治」氏です。
その名言集を見ると「明暗」、「円」、「・・・みたいに」など何かに例えたものが多く、視覚優位である可能性があります。
理論派と呼ばれ、ID(Important data)野球を唱えて、選手としても一流ながら、監督として弱小チームを優勝に導くなど、そのマネジメント能力が高く評価された「野村 克也」氏は、聴覚優位である可能性があります。
正に天才、野生の勘とも呼ばれ、その派手なプレーでファンを魅了した「長嶋茂雄」氏は、身体感覚優位の可能性があります。
今や、長嶋一茂さんのお父さんと言った方が有名なのかもしれません。
勿論、私は、このお三方にお会いしたことはありませんので、あくまでも想像でしかありませんが、私と同年代の方々は、なんとなく納得いただけるのではないかと思います。
このVAKモデルですが、自分自身あるいは、相手の優位感覚を知ることで、学習効率や指導効率を高めたり、コミュニケーションを円滑にする事ができるとされています。
あくまでも参考ではありますが、ご興味を持たれた方は、自分自身が、どの感覚が優位であるか診断されてみることをオススメします。
また、伝える要件によって、どの感覚を優位にして伝えた方がより伝わり易いかも違ってきます。
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