〝あたりまえ〟を習慣化する #139 5S活動
製造業では、カイゼン活動と共に、一般的に取り組まれているものに5S活動があります。
カイゼン活動が先手先手で最善を追求する攻めの活動です。
対して、5S活動とは守りの活動とも取れると思います。
5Sとは、整理、整頓、清掃、清潔、躾(しつけ)の5つのワードの頭文字からなるものです。
その概念は、「必要なモノだけが、いつでも決まった場所にあり、清掃が行き届いている」職場の維持です。
正直、職場という以前に、誰もが子供のころから教えられてきた〝あたりまえ〟の実践ともいえます。
■整理
必要なモノと不必要なモノを分類して、不必要なモノを捨てること、または片付けることです。
職場にあるには必要なモノだけとなり、妨げる邪魔なモノがなくなり転倒などの事故防止が望めます。
■整頓
必要なモノを規則正しく配置し、誰でも分かるように明示することです。
どこに何があるかが一目瞭然となり、作業の効率化が望めます。
■清掃
掃除をして、ゴミ、汚れのないキレイな状態にすることです。
綺麗な職場は社員や訪れたお客さまにとっても気分が良いはずです。
■清潔
掃除をして、ゴミ、汚れのないキレイな状態にすることです。
整理、整頓、清掃した時だけの一時的なものではなく、常に、その状態を保つことが大切です。
これによって、業務の効率化、事故の防止、職場環境の改善、意識徹底などの役立つことになります。
繰り返しますが、整理、整頓、清掃、清潔は、どれも、子供のころから、「あたりまえ」のこととして教えられてきたことです。
ところが、大人になった現在でも、それを「あたりまえ」に実践できるかと言えば、それが容易くはありません。
故に躾です。
■躾
決めたことを徹底して継続できる習慣づけのことです。
つまり、整理、整頓、清掃、清潔までを、全ての社員があたりまえに行う仕組み作りや教育の徹底です。
組織とは、特定の共通目的を果たすために複数の人たちが貢献し合う集まりです。
しかしながら、現実は、目的を果たすために決めたことを意識して、徹底して継続することは容易ではありません。
そこで大切になるのが、〝あたりまえ〟に、やるべきことをやる、あるいは、やってならないことはやらないことの習慣化なのかと思います。
習慣化することで、意識せずとも自然と継続することが出来るようになります。
これは、組織力の強化にもつながると考えています。
そして、理想は、誰からも指図を受けずとも自然と実践できるように組織文化として定着させることです。
昨今は、ガバナンス経営の重要性が指摘されています。
ガバナンス(governance)とは、組織活動を正しく制御するための統治行動・支配行動を指しています。ある意味、企業が事業を継続する上での基本であり守りの部分です。
5S活動そのものは、小さな〝あたりまえ〟なことだと思いますが、ガバナンスにおける基本中の基本であると捉えています。