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【書評】ヒトはなぜ太るのか?そしてどうすればいいのか:ゲーリー・トーベス著
この本は炭水化物制限本の中でも一押しです。
いわゆる 入るカロリー/出るカロリー理論というのは1900年代から出てきた物理学における熱力学第一法則をもとにした理論であることを詳細に記してます(それ以前は糖質が太る原因であることは一般的に知られていた!)
この理論が瞬く間に広がっていったために、食事を減らして運動をすれば痩せる!という間違った考え方が常識となってしまっています。
この、「入るカロリー/出るカロリー理論」の間違いを丁寧に論破した本です。
以下がヒトが太る機序です
炭水化物を含む食事を食べる
インスリンを分泌し始める
インスリンは脂肪酸の放出を止め、血液中からもっと多くの脂肪酸を取り込むように脂肪細胞に信号を送る
空腹になる。またはもっと空腹になる。
食べ始める
もっとインスリンを分泌する
炭水化物が消化され、ブドウ糖として血液中に入り、血糖値が上がる。
さらにインスリンを分泌する
食事に含まれる脂肪は中性脂肪として脂肪細胞に貯蔵される。また肝臓で脂肪に変換された一部の炭水化物も同様である
脂肪細胞は太り、あなたも太る
インスリン濃度が低下するまで、脂肪は脂肪細胞にとどまる
私たちは過食するから太るのではない。私たちは太りつつあるから過食するのである。
入るカロリー出るカロリー理論
よく、食べるカロリーより消費するカロリーが少なかったら太るんだ!みたいなことをしたり顔で言う人が居ますけど、これは間違いです。
食べた食物がすべて吸収されるわけではありません。また腸内細菌の存在はカウントされてません。
カロリーというのは食物を燃やした時に発生する熱量のことですが、生体で食物を消化吸収してATPを合成する過程は複雑な化学反応であって、単純に燃えた時の熱量とは異なります。
入るカロリー出るカロリー理論が正しければ、体重がまったく変わらない人は、ものすごく厳密に食事のカロリー摂取をコントロールしている事になりますが、それは現実的に不可能です。
入るカロリー出るカロリー理論が正しければ、赤ちゃんがどんどん体重が増えていくのはなぜか説明できません。子供もどんどん成長します。でも過食しているわけではないです。そして突然思春期に身長と体重増加は止まります。
この本ではこういった疑問に答えてくれています。ぜひ一度読んでみて下さい!
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