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arteVarieに参加してみて

 当サークルは和菓子を中心に金沢の美味しいものご紹介冊子を作っています。最近では相方のサトルさんのイラストで布バッグも作り始めました。
 普段はコミティアを中心に即売会に参加しているのですが、布バッグの売れ行きが芳しくないので、グッズを見てもらえるイベントに出てみようと5月3日のarteVarie80にスペースの申込みをしました。その感想をメモしていこうと思います。

評論情報系では本重視でグッズはついで程度

評論情報系サークルが参加する同人誌即売会(イベント)は、首都圏であれば、コミケやコミティア等があろうかと思います。コミケは一回しか出ていないのですが概ね本が中心、コミティアも評論情報系で参加すると本中心になり、グッズはついで程度に見てもらえればいいほうかなという印象です。

※コミティアにイラスト等で参加されているサークルさんであれば、グッズも見てもらえると思います。あくまで評論情報系でスペースを取った場合です。

通販もしていたのですが、当サークルは通販が非常に弱く、販売は専らイベントでした。
せっかく可愛いイラストなのにな~と思いつつ、本を求めて来ている人が多いのであれば致し方ない、ならばグッズを目的に来る人が多いイベントに行こうと、5月のarteVarieへの参加を思い立ちました。

arteVarieとは

arteVarie(アルトバリュエ)とは赤ブーブー通信社が主催する、コミックシティに併設して開催されるデザイン・服飾雑貨のオンリーイベントです。
東京開催で直近で申し込み可能なのは、6/26開催のarteVarie83(5/29〆切)です。なお、東京だけでなく、大阪でも併設の形で開催されています。

他の同人イベントと違うのは、サークルの出展スペース単位が1ブース(机1本)なこと。コミケやコミティアでは机半分が1スペースです。
1ブースには、横幅180cmの会議机1本分と椅子2脚、入場チケット5枚が入っています。
つまり、他のイベントでの2スペース分。なので、お値段も2スペース分に相当した13,000円です。

デザインフェスタでは、1ブース(S)レンタルに机と椅子もレンタルすると14,600円ほどになろうかと思うので、デザフェスよりちょっとだけ安い感じ。規模や集客数、来場客の属性等が全然違うので、単純に金額だけでコスパ比較はできませんが、ご参考までに。

メイン開催のコミックシティ(二次同人誌即売会)の規模によって、arteVarieの募集規模も変わります。ただし、出展料は変わりません。
通年で一番規模が大きいのは5月のスーパーコミックシティとの併設で、200spの募集がありました。他では100sp募集や80spなどがあります。概ね、大きめのコミックシティ(いわゆるスパコミやスパーク)との併設だとarteVarie募集規模も大きいと思っていただければと。メインのコミックシティの規模が大きければ、来場者数も増えますので、流れで見てもらえる人も増える感じです。

手応えは予想以上に上々

正直、予想以上でした。雑貨メインのイベントなのでarteVarieエリアに来る人はグッズを見るモードになっています。それまで別ホールで二次同人誌を買ってきたとしても、モードが切り替わっています。その違いを実感しました。

同人イベントで本をたくさん買いまわる人向けに特化した、A3サイズも入る大型キャンバストートバッグ。シンプルなワンポイントイラストで普段使いしやすくしてみました。

ムリーねこちゃんと私達が呼んでいるこの新作グッズ、イベントで本を買い回る用にと、ニーズ特化した大型キャンバストートです。
中身が透けず、肩掛けしやすく、スペースで本を買って中に入れやすく、丈夫で……と、厳選した素材です。
ゆるキャラも、眠くてムリー、推しが可愛くってムリーと汎用性のきく感じで、刺さる人には刺さるんじゃないかな~と期待はしていました。

でも、まさか、作った分が一日で売り切れになるとか、思っても見ませんでした。
事前告知もtwitterで前日夜のギリギリ、多分ほとんど認知されてなかったと思います。初参加でしたし、それまでは和菓子推しサークルとしてしか活動してなかったサークルなので知名度もゼロ。
なので、完全に通りすがりに見てもらえて、興味を持ってもらえたら、でした。
2、3個売れたら御の字、大勝利と思っていたら、開場直後からぽつぽつとコンスタントに売れてくれて、5日のコミティア分もまとめて搬入した在庫が完売しました。なので、5日用にと急遽4日に追加制作しましたです。こういう時、手作業のシルクスクリーン印刷は融通がききますね。ワークスペースを貸してくださったNOT GUTTERさん、ありがとうございました。

同じくムリーねこのデニムトート。こちらはB4サイズが入ります。

ちなみに、もうひとつ、大きめトートバッグとしてデニム生地のも作っていったところ、デニムと悩んでキャンバス生地の方を選ぶ人が多く、販売数はキャンバス生地>>>デニム生地でした。
値段もキャンバストートが1,500円、デニムトートが1,800円とデニムのほうが少し高め、入るサイズはキャンバスはA3まで、デニムがB4までとなると、キャンバストートのほうに偏ったのかもしれません。
私達としてはデニムトートが生地も柔らかくて普段使いしやすそう!とおすすめだったんですけどね~。なお、余談ですが、5日のコミティアではデニムの方も売れてくれました。

売れてくれた理由

いくつか考えてみました。

1.スペースが広いので、空間に余裕があり、グッズが目に付きやすい。
まず1ブースが広いので、ひとつのサークルの陳列物がよく見えます。隣のブースともソーシャルディスタンスで離れていたので、来場者への視覚情報がすっきりしていて陳列物がよく見えたのではないでしょうか。机も1ブース内で複数借りることができるので、幅こそ180cm固定ですが、奥行きを広げることができるので陳列に余裕があります。
ムリーねこちゃんを可愛いね~と見てくださる方が多くて、流し見ながらも目に留まっている印象を受けました。
ちなみに、ブースの中もゆったりスペースが確保されていて窮屈さが全然なく、かなり快適でした。

2.来場者がグッズを買うモードになっている。
次に雑貨・装飾品エリアなので、グッズを買うモードになっていることがあると思います。
コミックシティは二次創作の同人誌即売会です。ですが、arteVarieが雑貨イベントであることは来場者にも周知の事実。併設されていれば寄っていこうかなと見ていかれる人が多いです。
少し前まではゴシック調な装飾品なども人気でしたが、最近ではキャラぬいのお洋服で人気なサークルさんもいらっしゃるそう。なので、目当ての買い物が終わった後に流しで見ていかれる方は結構いらっしゃいました。
それまでは推しカプ本など、推しジャンルの同人誌を買われていた人たちも、artevarieでは雑貨買いモードに切り替わって、雑貨や装飾品を物色する目線になっています。本じゃないからいいやという選別が生じていません。むしろ、本のほうがスルーされていました。

3.出展者のレベルが高く、集客の恩恵に預かれた。
ここでは私達のことは棚上げします。
当日は初参加にわたわたしてしまい、エリア全部を見て回る余裕がなかったのですが、私達の周辺はとてもレベルの高い出展者さんが多くて、来場者の目を惹いてらっしゃいました。つまり、声掛けせずとも、作品で呼び込みができていた感じです。実際、とても可愛くて素敵で、私達も隙きを見つけては買いに行ったりしてました。
作品の魅力でキャッチングができている、理想じゃないですかーヤダー。そんなふうに周囲のサークルさんが人を呼び込んでくださった恩恵に預かれた感じです。ありがたやありがたや。
実際、お話ししてみると、デザフェスに出たり、合同個展をやられたりと個人作家さんやセミプロのような方が多くいらっしゃいました。
これらの方々の作品が素晴らしくて、流し見のつもりがちょっと見ていくかと帰ろうとする来場者さんたちの足を止め、ふらりふらりと雑貨エリアを巡られ、という循環コースができていたように思います。
なので、二次創作イベントに併設でも、見てもらえたのではないかな~と。

机半分のスペースだと、隣のスペースには人が行けど、自分のスペースは見てくれない……という悲しい悩みってあるあるだと思うんですが、arteVarieではその悲しみよりも恩恵のほうが大きかったです。
なんでかな~と思ったんですが、多分これ、ソーシャルディスタンスだったからでは?と。ひとつのブースで買っていったん離れる、その一時離脱のゾーンに自分のブースが含まれてないんですよね。離れて、また物色するモードになって目を向ける先に次のブースがあるので、飛ばされずに済んでいるというか。
お隣さんに人の群がりができていても、ブースが机一本の広いので隣のブースに人がはみ出ることもありません。ちゃんと見える。なので、人気出展者さんのキャッチ力の恩恵に預かれる機会が増えている気がしました。

余談ですが、なんかお隣人気そうだな~くらいの気配は感じますが、どれだけ売れているのかとか、そういうことは離れているのでさっぱりわかりません。ソーシャルディスタンス万歳です。
自分たちのブースでの対応に集中できて、周りが気になることもなく。離れているので周りを気にしないで済むし、気にしようとしたところでおそらく聞き取れないと思います。これは他所様と比較してしまうストレスから解放されていいなと思いました。

arteVarieで本は見てもらえるの?

結論から言うと、やり方次第で見てもらえました。ただし、メインはあくまで装飾・雑貨であることをお忘れなく。

初めはこんな陳列でした。ポスターもなく。左側は目に付きやすく、右側はごちゃっと感。いかにも不慣れな初参加っぷりです。。

机一本分はかなり広いので、布バッグの他に当サークルの同人誌(和菓子紹介冊子)を数冊ずつラックに立てて置いていました。あまり目立たせないように、脇役っぽく。
新作のムリーねこトートの他に、これまで作ってきた和菓子LOVEなネコとカエルの巾着などの布バッグがありまして、これを机の右側に、左側に新作のムリーねこを置き、右側の棚のすぐ横に百均のお皿ラックを使って情報系同人誌を立てて置いていたんですね。
あくまでarteVarieは装飾・雑貨のイベントなので、同人誌はこじんまり置きです。

最初はポスターは立てていませんでした。雑貨メインだしと遠慮したんです。
そうしたところ、本は見事にスルー。布バッグは見てもらえるのに、本は完全スルーです。誰も手に取ってくれない。
それどころか、見てもらえたのはほぼムリーねこだけでした。柄が大きかったですし、バッグも広げていましたから、柄も小さめで畳んで置いていた和菓子LOVEなネコとカエルの巾着たちはキャッチ力が弱かったんです。なので、本もろともほぼスルーされていました。
これは流石に悲しいねと、意を決してポスター(A1サイズ)を後ろに立ててみました。

当サークルの1冊目にして看板冊子。イベントではこれをポスターに飾っていることが多いです。
和菓子愛なネコとカエルの巾着バッグ。以前から作っていたグッズです。

効果はてきめんでした。和菓子のポスターを立てた途端、それまで右側しか認識されなかったブースが左側も認識され始めました。
和菓子LOVEなネコとカエルのグッズたちも見てもらえるようになり、冊子も手にとってもらえるように。出していた分がなくなったので追加で出したりと、明らかなBeforeAfterでした。

結果として、ムリーねこのキャンバストートが途中で完売してしまったのと、既刊の種類がそれなりにあったので、出た数としては冊子>グッズ、単価はグッズのほうが高かったので、売上金額としてはグッズ>冊子となりました。

コミティアとくらべて

当然ですが、グッズが見てもらえました。
また、あのようなこじんまり置きでも、ポスターを立てることで冊子も見てもらえました。
5日のコミティアではグッズは数個売れたくらいで、売上の8割は本です。その売上額とarteVarieの売上額ほぼ同程度でした。

まとめ

今後はグッズ販売はarteVarieに絞ってもいいかな~と思っています。本はarteVarieにも10-20冊ずつ持っていく感じで。
何十冊と本を売りたい方にはarteVarieは向かないと思いますし、そもそも装飾・雑貨のイベントですから趣旨が違いますが、グッズを作っていてその売場を開拓したい、本もあるからついでに見てもらえたら嬉しいなのトーンであれば結構いいのではないかな~と思いました。
以上、長々と書きましたが、ご参考になりましたら。

最後に宣伝。同人誌やグッズを通販していますので、よろしくです!
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